この記事は 行政書士・上田 昌芳(第26260602号) の監修のもと公開しています。 詳細を見る →
# 補助金の併用を中小企業が活用する完全ガイド|OKパターン・NG事例・申請順序を解説【2025年度版】
設備の老朽化、工場のデジタル化、人手不足——。製造業の二代目経営者が事業を引き継いだとき、解決すべき課題が一度に押し寄せてくることは珍しくありません。「やることが多すぎて、何から手をつければいいか分からない」という状況の経営者の方にこそ、知っていただきたいのが補助金の併用(複数の補助金を組み合わせて使う方法)です。
中小企業が補助金を複数同時に活用することは、ルールさえ守れば可能です。「1社につき1つしか使えない」というのはよくある誤解で、実際には異なる事業・異なる経費に対して複数の補助金を組み合わせた資金調達をしている中小企業は少なくありません。
ただし、同一の経費に複数の補助金を重複適用することは禁止されています。この基本ルールを押さえた上で、どの組み合わせがOKで、どのパターンがNGになるのかを整理することが重要です。
本記事は、補助金HACKが800件超の申請支援を通じて蓄積してきた知見をもとに、複数補助金の活用ルールと実践パターンをお伝えします。
✓ 3行まとめ
- 対象経費が重複しなければ、複数の補助金を同時に活用できる
- 交付決定前の発注・支払いは取消対象になるため、タイミング管理が最重要
- 補助金は後払いのため、融資との組み合わせで資金繰りギャップを補填する設計が実務的
製造業の方は、こちらのセクションを優先してご覧ください。
目次
- 補助金の「併用」とは何か?中小企業が知っておくべき基本定義
- 主要補助金の組み合わせ早見表(2025年度時点)
- 製造業が補助金を複数活用する際の具体的な考え方
- 補助金の併用でOKになるパターン・NGになるパターンは?
- 実際に使われている主な補助金の組み合わせ事例
- 複数補助金の申請順序・タイミング管理と5つのステップ
- 補助金重複NGを確実に避けるためのチェックリスト
- 複数補助金で見落としがちな落とし穴とは?
- 中小企業が補助金採択率を高めるために必要な3つのポイントとは?
- 補助金と融資・助成金を組み合わせた資金調達はどう設計するか?
- まとめ

- 補助金の「併用」とは何か?中小企業が知っておくべき基本定義 {#definition}
- 主要補助金の組み合わせ早見表(2025年度時点) {#overview-table}
- 製造業が補助金を複数活用する際の具体的な考え方 {#manufacturing}
- 補助金の併用でOKになるパターン・NGになるパターンは? {#ok-ng}
- 実際に使われている主な補助金の組み合わせ事例 {#cases}
- 複数補助金の申請順序・タイミング管理と5つのステップ {#timing}
- 補助金重複NGを確実に避けるためのチェックリスト {#checklist}
- 複数補助金で見落としがちな落とし穴とは? {#pitfalls}
- 中小企業が補助金採択率を高めるために必要な3つのポイントとは? {#why80}
- 補助金と融資・助成金を組み合わせた資金調達はどう設計するか? {#funding}
- まとめ:中小企業の補助金併用は「経費の重複NG」が唯一のルール {#summary}
- よくある質問
補助金の「併用」とは何か?中小企業が知っておくべき基本定義 {#definition}
補助金の併用とは、1つの企業が複数の補助金制度を同時期に活用することです。 重要なのは「同一経費への二重適用はNG」という原則で、これさえ守れば複数申請・複数受給は制度上認められています。
補助金とは、国や自治体が政策目的を実現するために事業者に交付するお金のことです。返済不要(ただし目的外利用は返還対象)という特徴があります。制度ごとに対象事業・対象経費・要件が異なるため、自社の複数の投資や事業展開に対してそれぞれ別の補助金を活用することは、制度の趣旨にも合致します。
助成金(厚生労働省系)とは異なり、補助金は採択審査が伴う競争型の制度です。申請すれば必ずもらえるものではないため、採択率を高める準備が重要になります。
また、交付決定(採択後に補助金事務局が正式に交付を決める手続き)の前に発注・支払いを行うことは、制度上認められていません。この点については後のセクションで詳しく説明します。
「補助金の併用」という言葉は実務上やや曖昧に使われることがあります。本記事では以下の3つのパターンを整理します。
- 同時申請:同じ時期に複数の補助金に申請すること
- 同時受給:採択された複数の補助金を並行して活用すること
- 時期をずらした連続活用:ある補助金の事業完了後に別の補助金に申請すること
いずれのパターンでも、同一経費への重複適用禁止というルールは共通して適用されます。
📌 補助金HACKの視点
「自社の投資計画にどの補助金が当てはまるか」を1社で判断するのは、想像以上に難易度が高いです。経費の切り分け方が甘いだけで申請取消のリスクが生じるため、申請前に専門家へのセカンドオピニオンを取ることが採択率を高める現実的な方法です。
主要補助金の組み合わせ早見表(2025年度時点) {#overview-table}
申請を検討している方のために、代表的な補助金の概要を一覧で整理します(2025年度情報をもとに補助金HACK作成)。公募状況は各公式サイトで必ずご確認ください。
| 補助金名 | 主な対象経費 | 補助率 | 上限額の目安 |
|---|---|---|---|
| ものづくり補助金(通常枠) | 製造設備・加工機械 | 1/2〜2/3 | 1,250万円 |
| IT導入補助金 | ITツール・SaaS導入費 | 1/2〜3/4 | 450万円 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 広告宣伝費・HP・チラシ | 2/3 | 200万円 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 省力化設備(カタログ品) | 1/2〜2/3 | 1,500万円 |
※各補助金の公募スケジュール・要件は変更になる場合があります。申請前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
📌 補助金HACK視点
複数の補助金を組み合わせる際、上限額の合計だけで判断するのは危険です。自社の経費が各補助金の対象要件を満たすかどうかの確認が先決です。中小企業庁の公表データによると、ものづくり補助金の全国採択率は近年40〜50%台で推移しています。採択率を高めるためには、要件適合の確認と計画書の品質が重要です。
製造業が補助金を複数活用する際の具体的な考え方 {#manufacturing}
製造業の中小企業が補助金を複数活用する場合、「設備投資」「デジタル化」「省力化」という3つの軸で整理すると有効です。
製造業における典型的な課題は、設備老朽化・DX遅れ・人手不足の3点です。それぞれの課題に対応する補助金が存在するため、課題の数だけ補助金活用の余地があります。
| 課題 | 対応補助金の例 | 主な対象経費 |
|---|---|---|
| 製造ライン設備の老朽化 | ものづくり補助金 | 製造設備・加工機械(補助率1/2〜2/3、上限1,250万円) |
| 工場管理のデジタル化 | IT導入補助金 | ERP(基幹業務システム)・MES(製造実行システム)・生産管理システム(補助率1/2〜3/4、上限450万円) |
| 人手不足・自動化ニーズ | 中小企業省力化投資補助金 | 省力化設備(カタログ掲載品)(補助率1/2〜2/3、上限1,500万円) |
| 新販路・Webマーケティング | 小規模事業者持続化補助金 | HP・カタログ・展示会出展(補助率2/3、上限200万円) |
補助金HACKが製造業経営者から受けてきた支援案件では、「既存機械の入れ替え」と「業務効率化のためのシステム導入」の2パターンが圧倒的に多いです。これら2つは経費の種別が異なるため、同時期に別々の補助金で申請できるケースがあります。
製造業における補助金の具体的な活用パターン
ものづくり補助金でCNC旋盤を導入しながら、IT導入補助金でMES(製造実行システム)を同時期に申請するケースは、補助金HACKでも複数件の採択実績があります。設備購入費と情報システム導入費は明確に経費の種別が異なるため、原則として重複には当たりません。
ただし、製造業においてもいくつかの注意点があります。
- 設備導入費とシステム導入費の境界線が曖昧な場合、どちらの補助金で申請するかを事前に各事務局に確認する
- 補助金Aで採択された設備導入計画と補助金Bのシステム導入計画に矛盾がないか整合性を確認する
- 複数の補助金事業を並行して実施するための社内体制(担当者・書類管理)を整える
二代目経営者として設備更新とDX推進を同時に進めたい場合、複数補助金の活用は有力な選択肢です。計画の整合性管理と事務処理の負担を過小評価しないことが、実行上の重要ポイントです。
📌 補助金HACKの視点
製造業の二代目経営者から「何から手をつければいいか分からない」という相談が最も多く寄せられます。補助金HACKでは、業種・投資規模・決算状況をもとに「どの補助金をどの順番で使うか」の優先順位づけから支援しています。自己判断で動くと、より有利な補助金の申請機会を逃すケースがあります。
補助金の併用でOKになるパターン・NGになるパターンは? {#ok-ng}
結論:対象経費が重複しなければ複数補助金の同時活用はOKです。 一方、同一の経費・同一の事業に複数の補助金を充てようとするとNGになります。
以下の表でOK・NGのパターンを整理します(補助金HACK作成)。
| パターン | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| IT導入補助金(ITツール導入費)+持続化補助金(チラシ制作費) | OK | 対象経費が異なる |
| ものづくり補助金(設備A)+中小企業省力化投資補助金(設備B) | OK | 対象設備・経費が異なる |
| 補助金A+補助金B で同一の機械購入費を申請 | NG | 同一経費への二重適用 |
| 補助金A(採択済み)+補助金B(新規申請)で同一のHP制作費 | NG | 同一経費への重複 |
| 補助金(設備投資)+融資(自己負担分の補填) | OK | 補助金と融資は重複しない |
| 補助金(設備投資)+厚労省系助成金(人材育成) | OK | 管轄・対象が異なる |
⚠️ GビズIDの取得遅延に注意
GビズID(政府が提供する法人共通認証ID。電子申請に必要なアカウント)の取得には2〜3週間かかる場合があります。公募締切直前に申請しようとしても間に合わないケースが多く、これが原因で申請を断念する経営者は少なくありません。申請を検討し始めた時点で、まずGビズIDの取得手続きを開始してください。
⚠️ 交付決定前の発注・支払いは取消対象
採択通知が届いた時点では「交付決定」ではありません。発注・支払いができるのは交付決定後に限られます。「採択=ゴー」と判断して動いてしまうのは最頻出の失敗パターンです。交付決定前に動いてしまうと補助金が無効になります。
また、補助金ごとに申請時の誓約事項として「他の補助金との重複がない」旨の宣誓を求められるケースがあります。同一経費の重複は採択取消の原因となるため、申請前にチェックリストで受給状況を整理しておくことが重要です。

実際に使われている主な補助金の組み合わせ事例 {#cases}
IT導入補助金×持続化補助金、ものづくり補助金×IT導入補助金、省力化投資補助金×持続化補助金、補助金×厚労省系助成金の4パターンが代表的な組み合わせです。 業種・投資目的に応じた具体例を整理します。
組み合わせ例1:IT導入補助金 × 小規模事業者持続化補助金
IT導入補助金(ITツール・SaaS導入費が対象)と小規模事業者持続化補助金(チラシ・HP制作・広告宣伝費等が対象)は、対象経費が異なるため同時活用が可能です。
- IT導入補助金:クラウド会計ソフト、POSレジシステム、受発注システム等
- 持続化補助金:チラシ・メニュー表・HP制作、広告宣伝費、看板等
飲食店オーナーがPOSレジ導入にIT導入補助金を活用しながら、同時期に新メニューのチラシ制作費を持続化補助金で賄う、といった活用事例が実際にあります。
組み合わせ例2:ものづくり補助金 × IT導入補助金
製造業では、製造ライン設備の更新にものづくり補助金を活用しつつ、工場管理システム(MES=製造実行システム・ERP=基幹業務システムなど)の導入にIT導入補助金を活用するケースがあります。
設備購入費と情報システム導入費は明確に経費の種別が異なるため、原則として重複には当たりません。ただし、設備導入に付随するソフトウェアをどちらの補助金で申請するかについては、各事務局に事前確認することを推奨します。
組み合わせ例3:補助金 × 厚労省系助成金
補助金(経産省・中小企業庁系)と助成金(厚労省・都道府県系)は管轄が異なります。設備投資に補助金を活用しながら、同時期の人材採用・育成コストには人材開発支援助成金を活用するパターンは、多くの中小企業が実践しています。
組み合わせ例4:中小企業省力化投資補助金 × 持続化補助金
人手不足対策として自動化・省力化設備を導入するために中小企業省力化投資補助金を活用しながら、販路拡大のための広告宣伝費には持続化補助金を活用する組み合わせです。製造業・飲食業・小売業など幅広い業種で活用の余地があります。
業種別の補助金併用早見表
| 業種 | おすすめ組み合わせ | 活用ポイント |
|---|---|---|
| 製造業 | ものづくり補助金+IT導入補助金 | 設備費とシステム費を分けて申請 |
| 飲食業 | IT導入補助金+持続化補助金 | POSレジ導入と販促費を分けて申請 |
| 小売業 | 省力化投資補助金+持続化補助金 | 自動化設備と広告宣伝費を分けて申請 |
| IT業 | IT導入補助金+持続化補助金 | ツール導入費と新規顧客開拓費を分けて申請 |
※上記はあくまで代表的な組み合わせです。自社の要件・経費内容を必ず各公募要領で確認してください。
複数補助金の申請順序・タイミング管理と5つのステップ {#timing}
複数の補助金を同時活用する際、申請順序とタイミングの管理は採択・取消に直結する最重要事項です。
補助金申請で経営者が陥りやすい失敗の一つが、「採択通知が来たから発注した」というケースです。補助金のフローは以下の通りで、発注・支払いができるのは交付決定後に限られます。
- 申請・採択通知
- 交付申請(採択後に別途手続き)
- 【重要】交付決定(← この後でないと補助事業を開始できない)
- 事業実施(設備発注・支払い等)
- 実績報告(補助事業完了後に経費精算内容を事務局へ報告する手続き)
- 補助金入金(実績報告から3〜6ヶ月後が目安)
複数の補助金を並行して進める場合、それぞれの交付決定日と事業実施のタイミングを個別に管理する必要があります。補助金Aの交付決定前に補助金Bの対象経費を支払ってしまうと、補助金Bの対象経費が無効になるだけでなく、関連する申請全体の信頼性に影響が出ることもあります。
また、複数の補助金の実績報告が重なるタイミングでは、書類準備の負担が大きくなります。書類作成には1補助金あたり10〜20時間程度かかるケースが多く、複数を並行すると経理担当者への負荷が集中します。専門家に依頼すれば書類作成の実務を代行できるため、「管理が自社だけでは回らない」と感じたら早めに相談することを推奨します。
事業計画の段階から、実績報告の時期と自社の繁忙期が重ならないよう逆算したスケジュール設計が必要です。

複数補助金を安全に活用する5つのステップ
複数の補助金を安全に活用するための進め方を、ステップごとに整理します。
- 自社の投資課題を整理する:設備投資・デジタル化・人材育成など、投資の目的を書き出す
- 各投資に対応する補助金を調べる:課題ごとに使える補助金の候補をリストアップする
- 経費の重複がないか確認する:候補補助金の対象経費を一覧にし、同一経費がないか照合する
- 申請スケジュールを組む:各補助金の公募期間・交付決定予定日・事業実施期間を一覧管理する
- 申請・採択後の進捗を管理する:交付決定日・実績報告締切・入金予定を補助金ごとに追跡する
特にステップ3の「経費の重複確認」と、ステップ4の「スケジュール管理」が、取消リスクを防ぐ上で最も重要です。この2点を自社だけで行うことに不安がある場合は、専門家への相談を検討してください。
📌 複数補助金を管理する際のポイント(中小企業庁データより)
中小企業庁の公表資料によると、ものづくり補助金の直近公募における全国採択件数は年間数千件規模に上ります。採択後の交付決定率を高めるためには、「採択通知」と「交付決定」を別物として管理する体制が不可欠です。補助金ごとに「交付決定日」「事業実施期間」「実績報告締切」を一覧表で管理することを推奨します。
補助金重複NGを確実に避けるためのチェックリスト {#checklist}
補助金の複数活用を検討する前に、以下のチェックリストで自社の状況を整理することを推奨します。
申請書類の不備や経費の重複は、不採択・採択取消の最頻出原因です。事前の確認が採択率を大きく左右します。
申請前の確認事項
- 申請予定の各補助金の公募要領を最新版で入手・確認しているか
- 各補助金の対象経費が重複していないか、経費単位で整理したか
- 各補助金の交付決定予定日を把握し、発注・支払い開始日のスケジュールを組んでいるか
- 申請する各補助金の誓約事項(他補助金との重複禁止など)を確認したか
- GビズID(政府が提供する法人共通認証ID)の取得が完了しているか(電子申請に必要・取得に2〜3週間かかるため早めに対応)
- 直近2〜3期の決算書・納税証明書・登記簿謄本が最新状態で手元にあるか
- 各補助金の事務局問い合わせ先を把握し、不明点を事前確認できる体制があるか
採択後の管理事項
- 補助金ごとの交付決定日・事業実施期間・実績報告(補助事業完了後に経費精算内容を事務局へ報告する手続き)締切を一覧管理しているか
- どの経費をどの補助金で申請しているかを経費単位で記録しているか
- 実績報告に必要な書類(領収書・契約書・写真等)を補助金ごとに整理・保管しているか
- 実績報告から入金まで3〜6ヶ月かかることを前提に資金繰り計画を立てているか
上記チェックリストはPDF版チェックシートとして提供しています。LINEご登録の方に無料でお送りしています。印刷して社内の申請担当者と共有することで、実行管理がより確実になります。
LINEを開いて「補助金相談」と送るだけで、担当者が24時間以内に返信します。チェックシートPDFもそのままお送りします。
複数補助金で見落としがちな落とし穴とは? {#pitfalls}
複数の補助金を活用しようとして逆に取消・不採択になる失敗パターンには、典型的な2つがあります。
【最頻出パターン1】同一経費の重複申請
最もシンプルなNGです。同じ機械購入費や同じHP制作費を複数の補助金で申請することは、同一経費の重複として採択取消の対象になります。申請前に経費単位でチェックリストを作成し、どの補助金に何の経費を計上するかを明確にしておくことが予防策です。
補助金HACKが支援した800件超の案件のうち、経費重複が原因で取消になりそうになったケースは全体の約1割に上ります。いずれも「自社で判断して動いてしまった」という共通点がありました。重複が後から発覚した場合、採択取消・返還命令の対象となるため、申請前の確認を徹底してください。
複数補助金の申請書類作成には1補助金あたり10〜20時間程度かかるのが一般的です。専門家に依頼すれば書類作成の大部分を代行でき、経費の重複チェックも同時に実施できるため、二重のリスク低減につながります。
【最頻出パターン2】交付決定前の発注・支払い
複数の補助金を並行管理していると、「補助金Aは交付決定済み、補助金Bはまだ採択通知のみ」という状況が生じます。この状態で補助金Bの対象経費を発注してしまうと、補助金Bの採択が取り消されます。採択通知と交付決定は別物という認識が複数申請管理の基本です。
📌 補助金の落とし穴:全国共通の傾向
補助金の採択後に取消となる最大の原因は「交付決定前の発注」と「経費の重複」の2点です。これは補助金HACK支援案件だけでなく、中小企業庁・各補助金事務局が注意喚起している全国共通の傾向です。申請前の経費整理と交付決定日の確認を、チェックリストで必ず実施してください。
中小企業が補助金採択率を高めるために必要な3つのポイントとは? {#why80}
補助金HACKの支援案件における採択実績(2022〜2024年度・ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金・省力化投資補助金が対象・社内集計)では、高い採択率を維持しています。中小企業庁が公表するものづくり補助金の全国平均採択率が40〜50%台で推移する中、採択率を高めるために有効な3つのポイントを解説します。
ポイント1:申請前の経費切り分けを必ず実施する
複数補助金を申請する場合、どの経費をどの補助金で申請するかを事前に整理します。経費の切り分けが甘いまま申請すると、重複認定や対象外経費の混入で不採択になるリスクが高まります。申請前に必ず経費チェックリストを作成し、事務局への事前確認も実施することが基本です。
ポイント2:公募要領を最新版で精読し、要件変更を見落とさない
補助金の要件は公募回ごとに変更されることがあります。各公募の最新要領を必ず確認し、前回との変更点を整理した上で申請書類を作成することが重要です。「前回と同じでいい」という判断が不採択の原因になるケースは少なくありません。
ポイント3:採択後の交付決定日管理まで一貫して行う
採択されても交付決定前に発注してしまえば補助金は無効になります。申請後の進捗管理も含め、交付決定日・事業実施期間・実績報告締切を補助金ごとに追跡する体制を整えることが、最終的な受給完了率を高めることにつながります。
📌 補助金HACKの視点
採択率の数値は補助金の種類・申請年度・企業の状況によって異なります。「必ず採択される」という保証はできませんが、上記3つのプロセスを徹底することで採択率を高めることが可能です。補助金HACKでは申請後の進捗管理もサポートしており、取消リスクを最小化する体制を整えています。
補助金と融資・助成金を組み合わせた資金調達はどう設計するか? {#funding}
補助金単体での活用にとどまらず、融資・助成金・自己資金と組み合わせた資金調達の全体設計が、中小企業の投資効率を最大化します。
設備投資を例に、資金調達の全体設計を整理します(補助金HACK作成)。
| 資金調達手段 | 補助金との重複 | 特徴 |
|---|---|---|
| 補助金 | — | 返済不要・採択型・後払い |
| 融資(日本政策金融公庫等) | 重複なし・組み合わせOK | 返済必要・審査あり・先払い可 |
| 厚労省系助成金 | 対象経費が重複しなければOK | 要件充足型・返済不要 |
| 自己資金 | 自己負担分として組み合わせOK | 即時活用可能・返済不要 |
| 自治体独自補助金 | 対象経費が重複しなければOK | 国の補助金と別枠で活用可 |
たとえば1,000万円の設備投資を行う場合、以下のような資金構成が考えられます。
- 補助金(ものづくり補助金・補助率1/2と仮定):500万円
- 日本政策金融公庫の融資:300万円
- 自己資金:200万円
補助金と融資を組み合わせることで、自己資金200万円でも1,000万円の投資が実現できる設計になります。また同時期に厚労省の人材育成助成金を活用して従業員研修費を補填することも、経費の重複がなければ可能です。
自治体独自補助金との組み合わせも活用の余地あり
国の補助金に加え、都道府県・市区町村の独自補助金も対象経費が重複しなければ組み合わせが可能です。以下は主要都道府県の事例です(制度内容・公募状況は各自治体サイトで確認してください)。
- 東京都:東京都中小企業制度融資・東京都のDX推進補助(「デジタル化推進」シリーズ等)
- 愛知県:愛知県中小企業・小規模企業者向け各種補助金(設備投資・DX支援系)
- 大阪府:大阪府中小企業経営強化補助金・大阪産業局の各種補助制度
- 神奈川県:かながわ中小企業挑戦支援事業補助金等
- 福岡県:福岡県中小企業振興事務所が窓口となる各種補助制度
自治体補助金は国の補助金と比べて規模は小さいものの、採択要件が地域・業種に特化しているため採択されやすいケースがあります。国補助金との組み合わせで受給総額を最大化できる可能性があります。
📌 資金調達の全体設計で押さえておくこと
補助金は「後払い」が原則のため、事業完了後の入金まで数ヶ月〜半年の資金繰りが必要です。融資は「先払い」で資金を確保できるため、補助金との組み合わせで資金繰りのギャップを埋める設計が有効です。補助金単体で考えるのではなく、融資・自己資金・助成金を含めた全体最適で設計しましょう。
補助金HACKの支援現場では、「補助金は何もしなくてもらえるお金だと思っていた」「申請してすぐ入金されると思っていた」という誤解が多く見られます。実際には事業を先に実施してから後払いで受給するため、融資による先行資金の確保とセットで計画することが実務上の常識です。

まとめ:中小企業の補助金併用は「経費の重複NG」が唯一のルール {#summary}
中小企業が補助金を複数同時に活用することは、対象経費が重複しなければ制度上認められています。「1社1補助金」という制限はなく、異なる目的・異なる経費に対して複数の補助金をうまく組み合わせることが、投資負担を大幅に軽減する有効な手段です。
この記事でお伝えした主なポイントをまとめます。
- 同一経費への二重申請はNG、異なる経費への複数申請はOK
- IT導入補助金×持続化補助金、ものづくり補助金×IT導入補助金など4パターンの組み合わせが代表的
- 交付決定前の発注・支払いは取消対象になるため、タイミング管理が最重要
- 補助金は後払いのため、融資との組み合わせで資金繰りのギャップを補填する設計が実務的
- 複数申請の管理には、補助金ごとの経費・スケジュール・書類の一覧管理が必要
- 製造業では設備投資・デジタル化・省力化の3軸で補助金を組み合わせる余地が大きい
複数補助金の活用には、公募要領の精読・経費の整合性管理・スケジュール管理が不可欠です。自社単独での複数申請管理に不安がある場合や、どの組み合わせが自社に最適かを知りたい場合は、補助金HACKへご相談ください。
相談から診断・提案まで無料で対応しています。まずはLINEから「補助金相談」とお送りください。業種・投資規模・従業員数をお知らせいただければ、使える補助金の候補と受給見込み額を24時間以内にお伝えします。
LINEを開いて「補助金相談」と送るだけで、担当者が対応します。製造業の方は「製造業・相談」とお送りください。
※本記事の補助金情報は2025年度時点のものです。公募状況・補助率・上限額は変更になる場合があります。申請前に各補助金の公式サイトで最新情報を必ずご確認ください。
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筆者プロフィール 補助金HACK編集部。中小企業の補助金申請支援を専門とし、800件超の申請支援実績を持つ。ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金・省力化投資補助金を中心に、業種別・投資規模別の最適な補助金活用をサポートしている。最新の公募情報はLINE公式アカウントで配信中。
よくある質問
補助金は同時に複数申請できますか?
補助金と融資(借入)は併用できますか?
補助金と助成金は同時に受け取れますか?
一度補助金を受けた事業者は次回以降も申請できますか?
採択された後、別の補助金に新たに申請してもよいですか?
:::point[次に読みたい記事] 補助金活用は「申請して終わり」ではありません。次のステップでつまずきやすいポイントを先取りして解説しています。
- 【支援800件・採択率80%】中小企業は補助金を複数同時に使える?併用OKとNGのルールを整理
- 【支援800件・採択率80%】中小企業は補助金を複数同時に使える?併用OKとNGのルールを整理
- 【支援800件・採択率80%】中小企業は補助金を複数同時に使える?併用OKとNGのルールを整理
- 【支援800件・採択率80%】中小企業は補助金を複数同時に使える?併用OKとNGのルールを整理
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