【支援800件・採択率80%】中小企業は補助金を複数同時に使える?併用OKとNGのルールを整理

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この記事は 行政書士・上田 昌芳(第26260602号) の監修のもと公開しています。 詳細を見る →

✓ 3行でわかるこの記事のポイント

  • 対象経費が重複しなければ、複数の補助金を同時に申請・受給できる
  • 同一経費への重複充当・交付決定前の発注は採択取り消しの原因になる
  • 製造業では3制度の組み合わせで最大1,900万円超の補助を狙える

# 補助金の併用で中小企業が押さえるべきOK・NGパターン完全ガイド|補助金支援800件の専門家が解説

「設備投資にものづくり補助金、ITシステムにIT導入補助金、販路開拓に持続化補助金——それぞれ別の投資なのに、補助金は1つしか使えないのか?」と感じたことはありませんか。 資金制約の中で複数の投資を同時に進めたい経営者の方にとって、補助金の併用は切実な課題です。

結論から言えば、条件を満たせば複数の補助金を同時に活用することは可能です。 ただし「同一経費への重複充当」は禁止されており、ルールを知らずに申請すると採択取り消しや返還命令のリスクがあります。

この記事では、補助金支援800件の実績を持つ黒江遼氏へのインタビューをもとに、併用OKのパターンとNGのパターンを整理します。製造業を中心とした中小企業経営者の方が、複数補助金の活用を判断するための実務的な知識をお伝えします。

製造工場の事務室で複数の補助金資料を広げて検討している中小企業の経営者

📌 黒江遼氏について

補助金支援事務所 代表。2015年より中小企業の補助金申請支援を開始し、支援件数は800件以上。製造業・建設業・サービス業など幅広い業種での申請実績を持ち、複数補助金の同時採択支援も多数手がける。本記事は黒江氏へのインタビューをもとに、情報提供・無料相談への案内を目的として補助金HACKが作成しています。黒江氏は補助金HACKの取材協力専門家として情報監修を担当しています。

補助金の「併用」とは何か?基本ルールを整理する

補助金の「併用」とは、複数の補助金を同時期または近い時期に申請・受給することを指します。中小企業が補助金を賢く活用するうえで、仕組みを正確に理解しておくことが重要です。

補助金は「同一の経費に対して1つの補助金しか使えない」というルールが基本です。一方で、目的や対象経費が異なれば、複数の補助金を並行して活用することは認められています。

知っておきたい基本用語

補助金を理解するうえで、以下の用語を最初に整理しておきます。

用語意味
採択率申請者のうち補助金を交付される事業者の割合。補助金により30〜70%と幅がある
補助率補助対象経費に対して支給される補助金の割合。補助率1/2なら100万円の経費に50万円が補助される
補助上限額1事業あたりに交付される補助金の上限額。補助率と上限額の両方が適用される
補助対象経費各補助金の公募要領(後述)に定められた、補助金の対象となる経費の種類。機械購入費・システム導入費・広告宣伝費など補助金ごとに異なる
公募要領補助金の申請ルール・要件・対象経費・審査基準などを定めた公式文書。申請前に必ず読むべき最重要書類
交付決定採択後に補助金事務局が審査して正式に交付を決める手続き。交付決定日以降でないと補助対象事業を開始できない
実績報告補助事業完了後に提出する報告書。承認後に補助金が入金される

📌 「採択」と「交付決定」は別物

補助金の流れで多くの経営者が混同するのが「採択」と「交付決定」の違いです。採択通知を受けても、交付決定が出るまでは補助対象の事業を開始できません。先に発注・支払いをした経費は補助対象外になります。

補助金と混同されやすい助成金(主に厚生労働省所管・要件を満たせば原則受給可)との組み合わせについても後述します。補助金は採択審査があり事業完了後の後払いである点が、助成金との主な違いです。詳しくは補助金と助成金の違いを解説した記事もあわせてご確認ください。

補助金を複数使える「OKパターン」は何か?

複数補助金の併用が認められるのは「対象経費が重複しない場合」です。 具体的には3つのパターンがあり、それぞれの条件を理解することが複数補助金の活用に向けた第一歩です。

パターン1:対象経費が異なる補助金の組み合わせ

最もオーソドックスな併用パターンです。使う経費の「用途」が明確に分かれていれば、同じ時期に複数の補助金に申請できます。

たとえば製造業の中小企業であれば、次のような組み合わせが考えられます。

3つの補助金に対して、それぞれ「対象経費が異なる」ことが証明できれば、並行申請は可能です。各補助金の申請書に記載する対象経費(補助金ごとに定められた補助の対象となる経費)が重複していないことが重要です。

黒江氏の支援800件のうち、製造業の申請で最も多く見られたのがこのパターンです。「機械投資」と「システム投資」を分けて申請するケースが全体の約6割を占めています(黒江氏支援案件より・詳細は匿名化済み)。

建設業では、重機・建設機器の更新にものづくり補助金、現場管理システム導入にIT導入補助金を組み合わせるケースが見られます。サービス業では、店舗設備の改装に持続化補助金、予約・顧客管理ツール導入にIT導入補助金を組み合わせる事例があります(黒江氏支援案件より)。

パターン2:国・都道府県・市区町村の補助金を組み合わせる

国の補助金と自治体(都道府県・市区町村)の補助金は、財源が異なるため、経費が重複しない限り組み合わせることができます。

補助金の種類代表例特徴
国の補助金IT導入補助金・持続化補助金全国共通・補助額が比較的大きい
都道府県の補助金各県の設備投資支援補助金など県内企業が対象・審査は県機関
市区町村の補助金商工会議所連携の小規模補助金など地域密着・補助額は小さいが採択率が高い傾向

地方の製造業では、国のものづくり補助金で主力設備を補助しつつ、県の省エネ補助金で付帯設備を補助するケースも見られます。各公募要領(補助金ごとのルールを定めた公式文書)に「他の補助金との重複受給禁止」の条項がないことを必ず確認したうえで申請してください。

パターン3:時期をずらした連続申請

同一の補助金でも、前回受給した事業が完了・報告済みであれば、翌年度以降に再申請できる補助金があります。制度によって回数制限や期間制限が異なるため、必ず公募要領を確認してください。

ただし黒江氏の経験では、「過去に同じ補助金を取得済みの場合、通りにくいケースがある」と指摘されています。特に持続化補助金は競争率が上昇しており、同一申請者の再挑戦では事業の新規性・差別化をより明確に示す必要があります。

補助金の重複申請・NG事例:採択取り消しリスクを避けるために

「同一経費への重複充当」と「交付決定前の発注・支払い」の2点が採択取り消しの主な原因です。 知らずにやってしまうと、採択取り消し・補助金全額返還の対象になります。

NG1:同一経費への重複充当

補助金の大原則として、1つの経費に対して複数の補助金を充てることは禁止されています。

たとえば「新しい溶接機を300万円で購入する」という経費に対して、ものづくり補助金と都道府県の設備補助金の両方を申請するのはNGです。この場合、どちらか一方の補助金でのみ対象経費として申請できます。

NG2:交付決定前の発注・支払い

黒江氏が「経営者の多くが誤解している」と語る落とし穴です。補助金は採択通知を受けても、交付決定が出るまでは事業を開始できません。

「採択されたから、急いで機械を発注した」という行動が取り消しの原因になります。採択と交付決定は別のステップであり、交付決定日以降に発生した経費のみが補助対象となります。

NG3:申請した計画内容と異なる使途への流用

採択時に申請した事業内容と、実際に補助金を使った内容が異なる場合も取り消し対象になります。

採択された事業計画の内容どおりに実施することが原則です。事業内容の変更が生じた場合は、必ず補助金事務局に事前相談してください。

⚠️ 採択後の取り消しリスクに注意

採択通知を受けた後でも、以下のケースは取り消し・返還対象になります。

  • 交付決定前に発注・支払いをした
  • 採択した計画と異なる用途に補助金を使った
  • 補助対象外の経費を対象経費として計上した

これらは複数補助金の併用に限らず、単独申請でも同様のルールです。

補助金を併用するための5ステップ

複数の補助金を安全に活用するための手順を整理します。

  1. 投資計画を経費単位で書き出す:「何に・いくら使うか」を経費項目別に一覧化する
  2. 経費ごとに対象となる補助金を調べる:公募要領の「補助対象経費」の定義と照合する
  3. 経費の割り当てを決める:同一経費への重複充当がないよう、どの補助金でどの経費を申請するかを確定させる
  4. 各補助金の公募スケジュールを確認する:申請時期・交付決定時期・事業完了期限をカレンダーに落とし込む
  5. 交付決定後に発注・実施する:交付決定通知を受けてから発注・支払いを行い、実績報告まで領収書を保管する

📌 経費割り当ての考え方

「どの補助金にどの経費を割り当てるか」は、補助率・補助上限額・採択率の3点を見て判断します。補助率が高い補助金に金額の大きい経費を割り当てるのが基本です。複数補助金の経費割り当てについて迷う場合は、LINEの個別相談をご活用ください。

製造業(従業員20〜50名)の補助金活用シナリオ

製造業は「設備投資」「省エネ」「DX」「販路開拓」と投資の種類が多岐にわたるため、補助金の同時受給・併用効果が最も出やすい業種のひとつです。

黒江氏のインタビューによると、製造業での申請パターンは「既存機械の入れ替え」と「業務効率化のためのシステム導入」の2パターンがほぼ大半を占めます。

製造業の工場内で設備と業務システムが連動して稼働している様子

代表的な併用シナリオと合計補助額の試算は以下のとおりです。

※下記の補助上限額・補助率は2026年5月時点の情報です。公募回ごとに変更されるため、申請前に公式サイトで必ず最新値を確認してください。

補助金名対象経費(例)補助上限の目安
ものづくり補助金新鋭加工機械の購入費750万〜1,250万円(通常枠の場合。枠・公募回によって異なるため最新の公募要領を確認)
IT導入補助金生産管理システム・ERPツール150万〜450万円(通常枠)
持続化補助金新市場向け展示会出展・カタログ制作50〜200万円
3制度合計(試算)最大1,900万円超

3制度を活用できれば、事業規模によっては1,000万円超の補助を受けながら設備・DX・販路の3つを同時に前進させることができます。ただし各補助金の採択審査は独立しており、すべてが採択されるとは限りません。

📌 製造業の自己負担額シミュレーション(例)

「加工機械を300万円で購入する」ケースで試算します。

  • 購入費用:300万円
  • ものづくり補助金(補助率1/2):補助150万円
  • 自己負担:150万円

さらに「生産管理システムを200万円で導入する」場合は、

  • IT導入補助金(補助率1/2):補助100万円
  • 自己負担:100万円

2件合計で500万円の投資に対し、自己負担は250万円まで圧縮できる計算です。

製造業での実例として、埼玉の鋼材精密加工業A社では、ものづくり補助金で1,500万円規模の新ライン増設を計画し、事業計画書を作成した事例があります(黒江氏支援案件より・詳細は匿名化済み)。設備投資の規模が大きい製造業では、事業計画書の質が採択の鍵を握ります。

愛知県の部品加工業B社(従業員35名)では、県の省エネ補助金(各県の設備投資・省エネ対策を支援する補助金)とものづくり補助金を組み合わせ、新設備導入費1,200万円のうち約700万円を補助で賄った事例があります(黒江氏支援案件より・詳細は匿名化済み)。

ものづくり補助金の申請書の書き方についてはものづくり補助金 申請書の書き方ガイドもあわせてご参照ください。

※電話での営業は一切行いません。LINEでの自動診断(業種・投資内容・規模を選択するだけ)で、使える補助金の候補を無料でご確認いただけます。

「採択されないのでは」という不安に応える方法は?

「申請しても採択されないのでは」「書類作成が大変そう」という不安は、多くの経営者が感じる共通の悩みです。 実態を数値で確認したうえで、対処策を整理します。

採択率の実態

補助金別の採択傾向は以下のとおりです。

補助金の種類採択率の傾向補足
中小企業成長加速化補助金(2026年新設)90%以上(※黒江氏による推定値)制度開始直後で通りやすい段階。公式発表値は公募要領で確認
持続化補助金(50万円以下案件)高め目的・内容・書類が揃えばよっぽど通る
持続化補助金(全体)約35%(※公式発表値・出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」事業効果及び申請要件等の見直し等に関する調査・2024年度)15年前は約99%採択→競争率上昇で難易度が年々上がっている

※採択率テーブルの見方:「90%以上」は黒江氏の推定値、「35%」は中小企業庁の公式発表値です。推定値と公式発表値では信頼性が異なります。申請判断には公式発表値を参照してください。

年度始まり(4〜7月)の第1回公募は採択率が高くなりやすい傾向があります。予算全体が確保されており、採択枠に余裕があるためです。逆に冬・年始は予算消化が進んでいる関係で、採択枠が絞られやすい傾向があります。

補助金の申請スケジュール管理については補助金申請スケジュールの立て方もご参照ください。

書類作成の実態と専門家委託の効果

「書類作成が大変そう」という不安への答えを整理します。

補助金の申請書作成にかかる時間は、制度の規模と慣れによって大きく異なります。持続化補助金であれば初回で20〜40時間程度、ものづくり補助金では事業計画書の作成を含め40〜80時間程度が目安です(黒江氏談)。

専門家に委託した場合、作業時間を5〜10時間程度まで圧縮できるケースが多く、事業計画書の論理構成・数値目標の設定・書類の整合性確認といった採択率に直結する部分を任せることができます。黒江氏の支援800件における複数補助金同時採択の実績でも、専門家が経費割り当て設計から書類作成まで一貫して支援したケースで採択率が安定している傾向があります。

採択率を上げるための申請書チェックリスト

複数補助金を併用するにあたって、それぞれの事業計画書(補助金申請の中核となる書類)の質が採択を左右します。事業計画書の書き方の詳細解説記事もあわせてご確認ください。

申請書を提出する前に、以下の項目を確認してください。

  • 対象経費が補助金ごとに重複していないか
  • 交付決定前に発注・支払いをしていないか
  • 数値目標(売上・コスト・生産性)が記載されているか
  • 投資回収期間が具体的に示されているか
  • 申請書の各パート間で内容に矛盾がないか
  • 「絶対に売上が上がります」などの断定的表現を使っていないか
  • 競合優位性の根拠が論理的に説明されているか

黒江氏が「審査で評価される書類には必ず入っている」と指摘する項目のうち、製造業で特に重要なのが「投資回収期間の記載」と「生産性の数値目標」です。「3年で設備投資を回収できる根拠」を数字で示せる申請書が採択に近いと言えます。

📌 AIを申請書に使う際の注意点(黒江氏談)

AIを補助金申請書の作成に活用すること自体は問題ありません。ただし「全文をAIに一気に書かせる」と、各パート間の整合性が崩れて不採択につながります。自社概要・市場動向・課題・強み・補助事業内容など、パートごとに使い分けながら壁打ちして整合性を確認する方法が現実的です。

2026年新制度とは何か?新事業進出補助金・成長加速化補助金を解説する

2026年時点では、従来の事業再構築補助金(2024年公募終了)に代わる新制度が設けられました。 制度の内容は旧制度と異なるため、古い情報をもとに申請準備をしないよう注意が必要です。補助金HACKでは制度改正のたびに内容を更新し、一次ソースに基づいた最新の公募情報をLINEで随時配信しています。

中小企業新事業進出補助金(2026年新設)とは何か?

事業再構築補助金の後継として新設された補助金です。新分野展開・業態転換を支援しますが、旧制度とは要件・補助額が異なります。

  • 対象:中小企業・小規模事業者
  • 補助率・上限額:制度詳細は随時更新中のためLINEで速報を受け取るか公式サイトで最新値を確認
  • 特徴:新事業への進出を事業計画書で具体的に示すことが採択の条件

中小企業成長加速化補助金(2026年新設)とは何か?

2026年に新設された中小企業向け事業拡大支援補助金です。現時点では採択率が高い傾向にあり、「通りやすい段階」(黒江氏談)とされています。補助率・上限額の確定値は公募要領で確認が必要です(LINEで速報配信中)。

なお採択率90%以上という数値は黒江氏による推定値であり、公式発表値ではありません。公式の採択率は公募要領または中小企業庁の公表資料でご確認ください。

⚠️ 新制度の情報は特に鮮度が重要

新設補助金は公募要領が改訂されやすく、SNSや古いウェブサイトの情報が既に古くなっているケースがあります。申請前に必ず公式サイトで最新の公募情報を確認してください。補助金HACKのLINEでは最新公募情報を随時配信しています。

入金まで資金繰りは大丈夫か?設計の方法を解説する

補助金の最大の落とし穴のひとつが「入金の遅さ」です。 申請から入金まで全体では半年〜1年半程度かかるケースが多く、資金繰り設計が不可欠です。

黒江氏によると、「実績報告(補助事業完了後に提出する報告書)から入金まで3ヶ月〜半年かかる。経営者の多くが『こんなに時間がかかるとは思わなかった』と言う」という現状があります。

補助金の全体的なタイムラインは以下のとおりです。

  1. 公募開始・申請書類の作成・提出
  2. 採択通知(公募締切から1〜3ヶ月程度
  3. 交付申請・交付決定(採択後に手続きが必要)
  4. 補助事業の実施(交付決定後に開始可能
  5. 実績報告の提出(事業完了後)
  6. 報告承認・補助金入金(実績報告から3〜6ヶ月

複数補助金を並行して申請する場合は、それぞれの入金時期も異なります。

融資との組み合わせで資金繰りを安定させる方法は?

複数補助金を活用する場合の資金繰り設計として、「制度融資で先に事業資金を確保し、補助金入金後に返済する」パターンが現実的です。

制度融資とは、政府系金融機関(日本政策金融公庫など)や信用保証協会(金融機関の融資に対して保証を行う公的機関で、中小企業が融資を受けやすくする役割を担う)を活用した公的支援の融資制度です。民間金融機関の融資と比べて金利が低く、返済期間が長めに設定されているため、補助金待ちの資金繰りに適しています。

融資先金利の目安返済期間の目安
日本政策金融公庫(設備資金)年利1.5〜2%程度5〜7年
信用保証協会保証付き融資年利1.5〜2.5%程度5年前後

補助金は返済不要ですが後払いのため、大型投資では先行して融資と組み合わせることが現実的な選択肢です。

📌 製造業の資金繰り設計例(黒江氏支援案件より・匿名化済み)

  • 設備購入費:300万円
  • 自己資金:50万円
  • 制度融資(先行調達):250万円(年利1.5%・5年返済で月々約4,300円の利息)
  • 補助金入金後(約1年後):補助金150万円を受領し、融資残高を一括返済

この設計なら、手元資金50万円から300万円の設備投資が可能です。

✓ 資金繰り設計の3つのポイント

複数補助金を活用する際の資金繰りで押さえるべき点を整理します。

  • 補助金はすべて後払い:先に自己資金か融資で支払いが必要
  • 入金時期はバラバラ:補助金ごとに実績報告のタイミングが異なる
  • 融資との組み合わせ:先行融資→補助金入金後に返済する設計が現実的

補助金についてよくある誤解を正す

ネット上の補助金情報には誤解を招く記述が残存しているケースがあります。黒江氏が現場で経験した「経営者に多い誤解」と、正しい理解を簡潔に整理します。

Q:個人事業主は補助金を使えないのか? いいえ。黒江氏は「個人事業主だからNGという制度はほぼ無い」と明言しています。持続化補助金をはじめ、多くの補助金は個人事業主も対象に含まれています。

Q:IT導入補助金でパソコン単体が買えるのか? 買えません。「ITツール導入のために必要なPCであれば対象になる」という順序であり、PC単体の購入を目的とした申請は認められません(黒江氏談)。IT導入補助金の申請ガイドも参考にしてください。

Q:事業再構築補助金は現在も申請できるのか? 申請できません。事業再構築補助金は2024年で公募終了済みです。後継制度として「中小企業新事業進出補助金(2026年新設)」が設けられましたが、制度の内容・要件は異なります。

各誤解の詳細な解説は補助金のよくある誤解10選でまとめて確認できます。

パソコン画面で補助金の公式サイトを確認している中小企業の経営者のイメージ

まとめ:補助金の併用で押さえる5つのポイント

この記事で解説した内容を整理します。

  1. 補助金の同時受給・併用は条件を満たせば可能:対象経費が重複しなければ、複数の補助金を同時に申請・受給できる
  2. OKの基本パターンは3つ:対象経費が異なる組み合わせ、国・都道府県・市区町村の組み合わせ、時期をずらした連続申請
  3. NGは「同一経費への重複充当」と「交付決定前の発注・支払い」:採択取り消し・全額返還の原因になる
  4. 採択率は申請タイミングと事業計画書の質で変わる:年度始まりの第1回公募と、数値目標・投資回収期間を明記した計画書が重要
  5. 入金は後払いで時間がかかる:制度融資(年利1.5〜2%程度・5年返済が目安)との組み合わせで資金繰りを安定させることが現実的

補助金の申請は、制度ごとの要件確認・書類作成・実績報告と手間がかかります。特に複数補助金を並行して活用する場合、どの補助金にどの経費を割り当てるかという「経費設計」が採択の鍵になります。

補助金HACKは制度改正のたびに情報を更新し、一次ソースに基づいた公募情報をお届けしています。自社がどの補助金をいくら受給できるか気になる方は、LINEの無料診断をご活用ください。

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  • 製造業向け申請書作成テンプレート(実際の記入例付き・一部モザイクあり)
  • 採択率を上げる確認チェックリスト(採択済み案件の共通項を整理)
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インタビュー協力:黒江遼氏(補助金支援事務所 代表、2015年より中小企業の補助金申請支援を開始、支援件数800件以上)

※本記事の情報は2026年5月時点のものです。最新情報は各補助金の公式サイト(ものづくり補助金公式IT導入補助金公式持続化補助金公式)でご確認ください。

よくある質問

補助金は同時に複数申請できますか?
目的や経費が異なれば、同時に複数の補助金を申請することは原則として可能です。ただし、同一経費に対して複数の補助金を重複して充てることは禁止されています。申請前に各補助金の公募要領で重複受給禁止の規定を確認してください。
国の補助金と自治体の補助金は併用できますか?
経費が重複しない場合、国・都道府県・市区町村の補助金を組み合わせて受給することは可能です。例えばIT導入補助金(国)と都道府県のDX支援補助金を、対象経費を分けて申請するパターンは多く見られます。
ものづくり補助金とIT導入補助金は同時に申請できますか?
対象経費が重複しなければ同時申請は可能です。ものづくり補助金で製造設備を、IT導入補助金で業務管理システムを、それぞれ別経費として申請するパターンは実務上よく見られます。ただし各補助金の採択審査は独立して行われます。
一度採択された補助金で、翌年も同じ補助金に再申請できますか?
補助金の種類によって異なります。持続化補助金など、同一補助金の再申請や再受給を制限している制度もあります。黒江氏の経験では「過去に同じ補助金を取得済みの場合、通りにくい」ケースが報告されており、申請前に公募要領の確認が必要です。
補助金と融資は同時に使えますか?
補助金と融資(借入)は性質が異なるため、基本的に同時活用は可能です。補助金は後払い・返済不要、融資は先払い・返済必要です。大型投資では「融資で先に事業資金を確保→補助金受給後に返済」という資金繰り設計が現実的です。
採択後に取り消しになるのはどんなケースですか?
代表的なケースは2つです。①交付決定前に発注・支払いをしてしまう(採択≠交付決定であることを誤解している)、②採択時の計画内容と実際の使途が異なる(例:A事業のHP作成で採択→実際はB事業のHP作成に使用)。どちらも補助金の全額返還対象になります。

:::point[次に読みたい記事] 補助金活用は「申請して終わり」ではありません。次のステップでつまずきやすいポイントを先取りして解説しています。

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