【支援800件・採択率80%】中小企業は補助金を複数同時に使える?併用OKとNGのルールを整理

この記事は 行政書士・上田 昌芳(第26260602号) の監修のもと公開しています。 詳細を見る →

# 補助金の併用で中小企業が知るべきOK・NGルール完全ガイド

✓ まとめ

本記事の情報は2026年5月時点のものです。各補助金の最新の公募状況・補助率・上限額は必ず各補助金の公式サイトおよびミラサポplusでご確認ください。IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金を含むすべての補助金は、公募状況が変更される場合があります。

設備が老朽化しているのに、更新費用の自己負担が重くて踏み出せない——製造業の経営者からよく聞く話です。実は「複数の補助金を組み合わせる」ことで、その自己負担を大幅に圧縮できるケースがあります。

ただし、やり方を間違えると採択取消・返還命令のリスクがあります。「複数申請はOKなのか、NGなのか」「どう組み合わせれば最大限使えるのか」——この記事ではその判断基準を現場経験から解説します。

📌 ポイント

この記事で分かること

  • 補助金の複数・同時申請がOKなケース・NGなケースの違い
  • 製造業を中心とした業種別・具体的な補助金の組み合わせ方
  • 採択後に返還・取消を防ぐための実務的な注意点

補助金HACKは、累計800件の申請支援実績(うち製造業採択事例は後述の通り)をもとに、補助金の併用ルールをわかりやすく整理します。2026年新設の「中小企業新事業進出補助金」「成長加速化補助金(中小企業の成長段階に応じた投資を支援する補助金。詳細・公募状況は中小企業庁公式サイトまたはミラサポplusでご確認ください)」にも随時対応しており、最新の制度を踏まえた情報をお届けします。

中小企業・小規模事業者(製造業は従業員300人以下または資本金3億円以下、サービス業は従業員100人以下または資本金5千万円以下が目安)の経営者の方はぜひお読みください。

中小企業の製造工場内で、社長がタブレットを手に補助金資料を確認しているシーン
  1. 補助金の「併用」とは何か?中小企業が知っておくべき基本定義
  2. 補助金を複数・同時申請できるOKパターンとは?代表的な3つの方法
    1. パターン1:国+都道府県+市区町村の積み上げ
    2. パターン2:異なる事業目的での複数申請
    3. パターン3:時期をずらした連続申請
  3. 補助金の「合計補助率」の考え方とは?自治体ルールに注意すべき理由
  4. 併用NGになるケースとは?現場でよく見る失敗パターン4つ
    1. NG例1:同一経費への重複充当
    2. NG例2:合計補助率が100%を超える組み合わせ
    3. NG例3:公募要領で明示的に他補助金との重複が禁じられているケース
    4. NG例4:採択通知後すぐに発注・支払いをしてしまうケース
  5. 業種別の補助金併用戦略とは?製造業を中心に解説
    1. 製造業の場合
    2. 製造業以外の方向け:飲食業・IT業のパターン
  6. 採択される計画書の共通点とは?「なぜ通るのか」3つの要素
    1. 共通点1:補助金の「趣旨」と事業計画が一致している
    2. 共通点2:投資回収期間と数値目標が具体的に書かれている
    3. 共通点3:各補助金の計画書の内容が整合している
  7. 採択後に返還・取消になるリスクとその回避方法とは?
    1. 取消・返還になる主なケース
    2. 実績報告の準備
  8. 併用申請の実務フローとは?今から始める場合の6ステップ
  9. まとめ|補助金の複数・同時申請で自己負担を圧縮するための5つのポイント
  10. 著者・監修プロフィール
  11. よくある質問

補助金の「併用」とは何か?中小企業が知っておくべき基本定義

📌 ポイント

要点:同一経費への重複充当はNG。異なる経費・異なる事業であれば複数の補助金を組み合わせることは原則OK。まず「重複受給の禁止」ルールを押さえることが出発点です。

「補助金の併用(へいよう)」とは、1社が複数の補助金制度を活用することを指します。重要なのは「同じ経費に2つの補助金を充当しない」というルールです。これを「重複受給の禁止」といいます。逆に言えば、このルールを守りさえすれば、複数の補助金を組み合わせること自体は可能です。

ここで登場する3つの基本用語を整理しておきます。

用語定義
補助金の併用1社が複数の補助金制度を同時または連続して活用すること
補助率補助対象経費に対して支給される補助金の割合。例:補助率1/2なら100万円の経費に50万円が補助される
交付決定採択後に交付申請を提出し、事務局が審査して正式に補助金交付を確定させる手続き。交付決定日より前に発注・支払いをした経費は補助対象外になるため特に注意が必要

たとえば設備投資には中小企業省力化投資補助金を、ITツール導入にはIT導入補助金(公募状況は公式サイトで要確認)を活用する、といったイメージです。

区分内容可否
同一経費への複数補助金の充当同じ設備・費用に2つ以上の補助金を適用NG
異なる経費への複数補助金の適用A補助金→設備費 / B補助金→広告宣伝費OK
異なる事業への複数申請別々の事業計画で別々の補助金に申請OK(要確認)
国+都道府県+市区町村の組み合わせ異なる主体の補助金を積み上げOK(補助率上限に注意)

補助金HACKに寄せられる相談でも、「IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金を同時に使いたい」という問い合わせは非常に多く、正しいルールを理解することが申請成功の第一歩になります。

なお、小規模事業者持続化補助金(小規模事業者の販路開拓を支援する補助金)の公式情報は、ミラサポplus(中小企業庁ポータル)で「小規模事業者持続化補助金」と検索してご確認ください。

補助金を複数・同時申請できるOKパターンとは?代表的な3つの方法

📌 ポイント

要点:「国+都道府県+市区町村」の3層積み上げ、「目的別に複数申請」、「年度をまたいで連続申請」の3パターンが主な活用方法です。合計補助率が経費の実費を超えないことが絶対条件です。

補助金の併用で最もよく活用されるのが、「国の補助金+都道府県の補助金+市区町村の補助金」という3層の積み上げパターンです。それぞれ異なる主体が運営しているため、経費が重複しない範囲で組み合わせることが可能です。

パターン1:国+都道府県+市区町村の積み上げ

中小企業が設備投資を行う場合、たとえば以下のような組み合わせが考えられます。

  • 国の補助金(例:中小企業省力化投資補助金):設備費の一部を補助
  • 都道府県の補助金:追加で設備費の一部を補助
  • 市区町村の補助金:さらに上乗せ補助

この3層構造を活用することで、自己負担額を大幅に圧縮できるケースがあります。ただし、合計補助額が経費総額を超えることは禁止されており、「実質0円で投資できる」ということは基本的にありません。各主体の公募要領(各補助金の申請条件・対象経費・審査基準が記載された公式文書)で「他の補助金との重複に関する定め」を必ず確認してください。

パターン2:異なる事業目的での複数申請

「設備投資はA補助金、広告宣伝はB補助金」というように、目的が異なる複数の投資について、それぞれ別の補助金に申請するパターンです。

たとえば製造業の場合、次のような組み合わせが現実的です。

  • 加工ラインの増設(設備費):中小企業省力化投資補助金を活用
  • 新規顧客開拓のためのウェブサイト制作(広告宣伝費):小規模事業者持続化補助金を活用

補助金HACKの現場経験では、製造業の申請パターンは「既存機械の入れ替え」と「業務効率化のためのシステム導入」の2種類がほぼ大半を占めます。この2種類を別々の補助金で申請する戦略は十分に現実的です。

パターン3:時期をずらした連続申請

同一年度内での複数採択が難しい場合でも、年度をまたいで複数の補助金を順番に活用するという戦略があります。

この方法は、同一経費の重複を完全に回避しながら、段階的に経営改善投資を進めることができます。資金繰りの観点でも、一度に多額の自己負担が発生しないため、中小企業にとって現実的な選択肢です。

補助金の3層積み上げイメージ図(国・都道府県・市区町村それぞれのボックスが重なるイラスト)

補助金の「合計補助率」の考え方とは?自治体ルールに注意すべき理由

複数の補助金を組み合わせた場合、対象経費に占める補助金の合計額が経費の実費を超えることはできません。自治体によって「他補助金との合算上限」が異なるため、必ず各公募要領で確認することが必要です。

補助金の「補助率(ほじょりつ)」とは、補助対象経費に対して支給される補助金の割合のことです。たとえば補助率1/2であれば、100万円の経費に対して50万円が補助されます。

組み合わせ例各補助率合計可否
国50%+都道府県20%50%+20%=70%70%OK
国50%+都道府県30%+市20%50%+30%+20%=100%100%要確認(上限ちょうど)
国50%+都道府県30%+市30%50%+30%+30%=110%110%NG(超過分は補助なし)

実務上は、自治体の独自補助金の公募要領に「国または都道府県の補助金との合算が◯%を超える場合は当補助金の対象外」という条件が付いていることがあります。この条件は自治体ごとに異なるため、一般的な説明だけでは判断できません。

自治体補助金を活用する前には、次の3点を必ず確認してください。

  • 公募要領に「他の補助金との重複に関する定め」がないか
  • 国の補助金と合算した場合の補助率の上限
  • 申請時点で他の補助金の採択を受けていることを申告する義務の有無

また、補助金は原則「事業完了後の後払い」です。複数の補助金を並行している場合、それぞれの入金タイミングがずれることがあります。補助金HACKの支援経験では「実績報告から入金まで3か月〜半年かかることが多い」ケースが繰り返し見られます。資金繰りの計画は余裕を持って立てることが重要です。

併用NGになるケースとは?現場でよく見る失敗パターン4つ

📌 ポイント

要点:「同一経費への重複充当」「合計補助率100%超」「公募要領での重複禁止条項の見落とし」「交付決定前の発注」——この4つが現場で繰り返される失敗パターンです。

「同じ経費に2つの補助金を充当する」「補助金の合計額が経費総額を超える」「公募要領で明示的に他補助金との重複が禁止されている」——この3つのいずれかに該当すると、採択取消・返還命令の対象になるリスクがあります。

NG例1:同一経費への重複充当

もっとも多い失敗パターンです。A補助金で「設備X」を補助対象に申請し、同時にB補助金でも「設備X」を補助対象として申請することはできません。発覚した場合、採択取消・補助金の返還が求められます。

NG例2:合計補助率が100%を超える組み合わせ

国50%+都道府県30%+市区町村30%=合計110%、という計算になる組み合わせは認められません。自治体ごとに上限ルールが異なりますので、各公募要領の確認が不可欠です。

NG例3:公募要領で明示的に他補助金との重複が禁じられているケース

一部の補助金では、公募要領に「他の国の補助金との重複申請は認めない」と明示されています。この条件を見落としたまま申請すると、採択後に取消になるリスクがあります。

NG例4:採択通知後すぐに発注・支払いをしてしまうケース

採択通知=交付決定ではありません。交付決定日より前に発注・支払いをした経費は補助対象外になります。複数の補助金を並行して進める場合、それぞれの交付決定タイミングを把握していないと、いずれかの経費が対象外になるリスクがあります。

⚠️ 注意

要注意:採択≠交付決定

採択通知を受け取っても、「交付申請→交付決定」が完了するまでは補助対象の事業を開始できません。交付決定日前に発注・支払いをすると、その経費は補助対象外になります。複数補助金を並行する際は、各補助金の交付決定タイミングを個別に管理することが非常に重要です。

「採択通知が来たからすぐ発注した」というのは現場でもっとも多い失敗のひとつです。申請前にLINEでご相談いただければ、交付決定までの流れをあらかじめ整理できます。

NGパターン具体例リスク
同一経費への重複充当同じ設備をA補助金・B補助金の両方に計上採択取消・返還命令
合計補助率が100%超国50%+県30%+市30%の組み合わせ超過分は補助不可
公募要領での重複禁止条文を見落として重複申請採択取消
交付決定前の発注・支払い採択通知直後に設備を発注当該経費が補助対象外

業種別の補助金併用戦略とは?製造業を中心に解説

業種によって使いやすい補助金の組み合わせは異なります。以下では製造業を中心に解説し、飲食業・IT業については「製造業以外の方向け」として後半にまとめています。製造業以外の方は、見出しを目印に該当セクションへお進みください。

製造業の場合

製造業の経営者がもっとも関心を持つのは、設備の老朽化対応・省人化投資です。補助金HACKの現場経験では、製造業の申請パターンは「既存機械の入れ替え」と「業務効率化のためのシステム導入」のほぼ2種類。この2種類を異なる補助金で分けて申請する戦略が有効です。

> 以下の採択事例は、補助金HACKが支援した事案をもとに、ご本人の同意を得て一部情報を変更して掲載しています。

製造業の採択事例①(2024年度採択・埼玉県・精密加工業)

鋼材精密加工ラインの増設と生産管理システムの導入を、設備費と関連経費に分けて複数の補助金で申請したケースです。経費を明確に分離することで、それぞれの補助金の上限を最大限に活用できました。

  • 投資内容:鋼材精密加工ラインの増設+生産管理システムの導入
  • 総投資額:約2,500万円
  • 活用補助金:中小企業省力化投資補助金(設備費)+都道府県産業振興補助金(関連経費)
  • 補助額合計:約1,200万円
  • 自己負担額:約1,300万円(補助金なしの場合と比較して約1,200万円の圧縮)

補助金HACKへの相談から採択まで約4か月。「1社で2種類の補助金を管理するのは大変だったが、交付決定のタイミングを事前に整理してもらえたので混乱しなかった」(経営者コメント)。

製造業の採択事例②(2024年度採択・愛知県・金属部品製造業)

老朽化した旋盤設備の更新と作業工程のデジタル記録システム導入を、設備費とITシステム費に明確に分離して2つの補助金で申請したケースです。経費設計の段階から分離を意識することが、自己負担圧縮の鍵になりました。

「同じ補助金でまとめて申請しようとしていたが、2種類に分けることでそれぞれの上限を最大限活用できた」(補助金HACK担当者コメント)。

製造業の主な組み合わせパターンは以下の通りです。

製造業の場合、1件あたりの投資規模が大きいため、複数の補助金を組み合わせることで自己負担の圧縮効果も大きくなります。

業種別の補助金組み合わせ表のイメージ(製造・飲食・IT の3列比較)

製造業以外の方向け:飲食業・IT業のパターン

飲食業やIT業の方は、以下の組み合わせパターンを参考にしてください。業種が異なれば補助対象になりやすい経費も変わります。

飲食業の場合

補助金HACKの現場経験では、飲食業は「補助金申請件数が圧倒的に多い業種」のひとつです。飲食業で活用されることが多い経費の種類は以下の通りです。

  • 新機械の入れ替え(例:燻製料理のための燻製機)
  • 広告宣伝費(メニュー表・写真撮影費用を含む)
  • POSレジの導入
  • 店舗改装費

たとえば「POSレジ導入はIT導入補助金(公募状況は公式サイトで要確認)」「メニュー表・広告宣伝は持続化補助金」という組み合わせは実務上よく見られます。

> 以下の失敗事例は、補助金HACKが支援した事案をもとに、ご本人の同意を得て一部情報を変更して掲載しています。

飲食業の失敗事例(社名非開示・関東の飲食店)

新業態への改装で持続化補助金を申請した際、「店舗の改装費」と「厨房機器の購入費」を同一補助金にまとめて申請しようとしたケースです。厨房機器は別の都道府県補助金でも対象になり得たにもかかわらず、経費を一本化してしまったため上限額で補助を受けきれませんでした。複数補助金への分散申請を最初から設計しておくことが重要です。

IT業・サービス業の場合

IT業は規模が拡大し、採用コストや新サービス開発投資が発生する段階になると、補助金活用の余地が生まれます。

IT業は「自社制作ができるためウェブサイト・チラシなどが補助対象になりにくい」という特性がありますが、外部ツールの導入や外部委託費用については補助対象になるケースがあります。

補助金HACKへのLINE相談は、月間200件以上の問い合わせに対して平均1営業日以内で返信しています。「どの補助金を使えばいいか分からない」という段階からでも、営業なしで気軽にご相談いただけます。

採択される計画書の共通点とは?「なぜ通るのか」3つの要素

📌 ポイント

要点:計画書の採否は「補助金の趣旨との一致」「投資回収の根拠」「数値目標の具体性」の3点で大きく変わります。複数補助金を同時申請する場合は、各計画書の整合性管理が特に重要です。

補助金HACKが800件の支援経験から導いた、採択される計画書に共通する要素が3つあります。

共通点1:補助金の「趣旨」と事業計画が一致している

審査員は「この投資は本当にこの補助金の目的に沿っているか」を最初に見ます。たとえば省力化を目的とした補助金に、省力化効果がほとんどない設備投資を申請しても通りません。「なぜこの補助金でこの投資をするのか」という論理を計画書の冒頭で明示することが採択への近道です。

共通点2:投資回収期間と数値目標が具体的に書かれている

採択される計画書には必ず「この投資で何年後にいくら回収できるか」が書かれています。売上増加額・コスト削減率・回収期間(3年・5年・7年など)を根拠とセットで記載することで、審査員に「実現可能な計画」と認識してもらえます。根拠のない楽観的な数値は逆効果です。

共通点3:各補助金の計画書の内容が整合している

複数の補助金に同時申請する場合、それぞれの計画書に書かれた「自社概要」「市場動向」「課題と強み」がバラバラだと審査員に違和感を与えます。補助金HACKでは「整合性チェックシート」を使って各計画書の記述を統一することを支援しています。

計画書でよく見られるNGパターンは以下の通りです。

  • 断定的な表現(「絶対に売上が上がる」等):計画はあくまで推計であり、強い断言は審査員に違和感を与えます
  • 投資回収期間の記載漏れ:補助事業は投資回収が前提のため、回収期間の記載がないと大きな減点になります
  • 補助金の趣旨と計画のズレ:「なぜこの補助金で、この投資をするのか」の論理が弱いと落ちやすくなります
  • 過剰投資の計画:事業規模に見合わない投資額は審査で「実現可能性に疑問あり」と判断されます

採択後に返還・取消になるリスクとその回避方法とは?

📌 ポイント

要点:採択後の最大リスクは「交付決定前の発注・支払い」と「計画内容との乖離」です。複数補助金を並行する場合、それぞれの交付決定タイミングと実績報告期限を個別に管理することが非常に重要です。

採択後に最も注意すべきは「交付決定前の発注・支払い」と「計画内容との乖離」です。複数の補助金を並行している場合、それぞれの交付決定タイミングを個別に管理しないと、いずれかが対象外になるリスクがあります。

補助金は採択されてから終わりではありません。採択後の事務手続き(交付申請・実績報告・入金)は多くの経営者が想定以上の負担を感じるポイントです。複数の補助金を並行している場合、この負担は倍増します。

取消・返還になる主なケース

> 以下の事例は、補助金HACKが支援した事案をもとに、ご本人の同意を得て一部情報を変更して掲載しています。

補助金HACKが実際に見聞きした採択後の取消パターンは以下の通りです。

  • 計画内容との乖離:飲食店のHP制作費として採択されたにもかかわらず、実際には別事業(エステサロン)のHP制作に使用したケース(社名非開示)
  • 交付決定日前の支払い:採択通知を「スタート合図」と誤解し、交付決定前に発注・支払いをしてしまったケース

IT業の失敗事例(社名非開示): IT導入補助金に採択されたITサービス企業が、採択通知直後にシステム開発業者への発注と支払いを完了させてしまったケースです。交付決定日より前の支払いだったため、当該経費が補助対象外と判定されました。「採択された=もらえる」という誤解が招いた典型例です。

「採択」と「交付決定」は異なります。採択は「選ばれた」という通知に過ぎず、正式に補助金が確定するのは交付決定の後です。複数の補助金を並行している場合、それぞれの交付決定日を個別に把握・管理することが非常に重要です。

実績報告の準備

補助事業が完了したら実績報告書を提出します。経費の内訳・成果・写真等を提出し、承認された後に補助金が入金されます。複数の補助金を並行している場合、それぞれの実績報告期限が異なるため、スケジュール管理が煩雑になります。

以下の書類は、補助金HACKがすべて管理・サポートします。採択が決まった段階から一緒に準備を進めるので安心してください。

実績報告で必要な書類の例(中小企業省力化投資補助金の場合):

  • 経費支出の領収書・請求書(補助対象経費の全件分)
  • 設備導入後の現物写真(設備の銘板が写っているもの)
  • 納品書または検収書
  • 通帳のコピー(支払い事実の確認)
  • 補助事業の成果報告(売上・コスト削減等の数値)
採択後のプロセス内容注意点
交付申請採択後に正式な交付申請を提出交付決定前に発注・支払いNG
事業実施交付決定後に補助対象事業を開始計画書の内容と一致させる
実績報告事業完了後に経費・成果を報告補助金ごとに期限が異なる
入金実績報告承認後に補助金が入金報告から3〜6か月かかることが多い

併用申請の実務フローとは?今から始める場合の6ステップ

補助金の複数・同時申請を始める場合、以下の6ステップで進めることで経費の重複や抜け漏れを防ぐことができます。

  1. 使える補助金の洗い出し:業種・投資内容・会社規模をもとに、活用可能な補助金を国・都道府県・市区町村の3層でリストアップする
  2. 経費の振り分け設計:どの補助金にどの経費を計上するかを決定する。同一経費への重複充当がないよう、経費ごとに充当先を1つに絞る
  3. 各公募要領の確認:「他補助金との重複禁止条項」「合計補助率の上限」「申告義務の有無」を各公募要領で確認する
  4. 計画書の個別作成と整合性確認:各補助金の趣旨に沿った計画書を個別に作成し、自社概要・市場動向・課題の記述が矛盾していないか確認する
  5. 交付決定タイミングの管理:各補助金の交付決定予定時期を把握し、経費の発注・支払いスケジュールを交付決定日以降に設定する
  6. 実績報告の準備:補助金ごとに必要な書類(領収書・写真・成果報告等)を事業完了と同時に揃えられるよう、採択段階から準備を始める

このフローを最初から設計しておくことで、「せっかく採択されたのに経費が対象外になった」という失敗を防ぐことができます。

まとめ|補助金の複数・同時申請で自己負担を圧縮するための5つのポイント

中小企業が補助金を複数同時に活用することは、正しいルールを理解した上で進めれば十分に可能です。ここで学んだポイントを整理します。

  1. 同一経費への重複充当は禁止:異なる経費・異なる事業であれば、複数の補助金に申請できる
  2. 合計補助率は100%が上限:国+都道府県+市区町村の組み合わせでも、対象経費の実費を超える補助は受けられない
  3. 採択≠交付決定:交付決定日より前に発注・支払いをした経費は補助対象外になる
  4. 計画書は整合性が命:複数の補助金に申請する場合、各計画書の内容が矛盾しないよう管理する
  5. 実績報告から入金まで3〜6か月:資金繰り計画は余裕を持って立てる

補助金の種類・公募タイミング・経費の配分の組み合わせは、業種や会社の規模によって最適解が異なります。「自社にどの組み合わせが合うか分からない」という段階からでも、支援実績のある専門家に相談することが採択への近道です。

補助金HACKは、累計800件の申請支援実績(製造業の事例については記事内の採択事例を参照)をもとに、御社に合った補助金の組み合わせをご提案しています。2026年新設の「中小企業新事業進出補助金(詳細・公募状況は中小企業庁公式サイトまたはミラサポplusでご確認ください)」「成長加速化補助金(同)」についても随時対応しており、最新の制度を踏まえた情報をお届けします。

補助金情報の最新状況は中小企業庁ポータル(ミラサポplus)でもご確認いただけます。

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著者・監修プロフィール

補助金HACK 編集部

累計800件以上の補助金申請支援を手がける補助金HACKの編集部が監修。製造業・飲食業・IT業を中心に、中小企業の設備投資・DX推進・新事業展開に関わる補助金支援を行っています。国の補助金から都道府県・市区町村の独自補助金まで、複数制度の併用設計を得意としています。2026年新設の中小企業新事業進出補助金・成長加速化補助金についても随時対応中です。

関連記事もあわせてご覧ください:

※本記事の情報は2026年5月時点のものです。各補助金の最新の公募状況・補助率・上限額は必ず各補助金の公式サイトおよびミラサポplusでご確認ください。

よくある質問

補助金は複数同時に申請できますか?
原則として可能です。ただし、同一経費に2つ以上の補助金を充当することは禁止されています。異なる経費・異なる事業目的であれば、国・都道府県・市区町村の補助金を組み合わせて申請できます。
補助金の併用で合計補助率が100%を超えてもいいですか?
いいえ、認められません。複数の補助金を併用した場合でも、対象経費に対する補助金の合計額が経費総額を超えることは禁止されています。自治体ごとにルールが異なるため、各公募要領で必ず確認してください。
持続化補助金とIT導入補助金は同時に使えますか?
同一経費への充当でなければ、異なる事業目的で別々に申請すること自体は可能です。ただし、双方の公募要領で「他の補助金との重複不可」と明示されている場合は併用できません。必ず各公募要領を確認してください。
採択後に別の補助金に申請してもいいですか?
可能な場合が多いです。ただし、すでに補助金を受けた事業・経費と同一の内容で再申請することは認められません。また、補助金によっては「同年度中に他補助金を受給している場合は申請不可」という条件があるため、公募要領の確認が必須です。
個人事業主でも補助金の併用はできますか?
はい、個人事業主であっても補助金の併用は可能です。小規模事業者持続化補助金など個人事業主が利用しやすい補助金を軸に、都道府県や市区町村の補助金と組み合わせる戦略が現実的です。
補助金を受け取った後に取消になるケースはありますか?
あります。主なケースは①計画と異なる用途への使用、②交付決定日前に支払いをしてしまった場合です。採択通知=交付決定ではないため、交付決定を受ける前に発注・支払いをすると補助対象外になります。

:::point[次に読みたい記事] 補助金活用は「申請して終わり」ではありません。次のステップでつまずきやすいポイントを先取りして解説しています。

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