📖 この記事は 「中小企業新事業進出補助金」 シリーズの一部です
この記事は 行政書士・上田 昌芳(第26260602号) の監修のもと公開しています。 詳細を見る →
事業再構築補助金と新事業進出補助金の違いとは|2026年制度移行を完全解説
⚠️ 重要:事業再構築補助金は新規受付を終了しています
事業再構築補助金は第13回公募をもって終了しました。現在、新たな申請を受け付けているのは後継制度「中小企業新事業進出補助金」です。本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新の公募状況は必ず公式サイトでご確認ください。
【対象業種】製造業・加工業を含む全業種(業種制限なし) 【対象地域】全国 【対象企業規模】中小企業・小規模事業者(資本金・従業員数の要件あり)
✓ 3分で読める要約|この記事の結論
①制度移行の結論: 事業再構築補助金への新規申請は終了。2026年以降は後継制度「中小企業新事業進出補助金」が窓口になります。
②補助額の目安: 補助率1/2・補助上限3,000万円(類型による)。投資額1,000万円なら補助500万円・自己負担500万円が目安です。
③今週やること: GビズIDの取得状況を確認する/直近の決算書を手元に揃える/公募要領をダウンロードして対象要件ページを読む
「申請しても通らないのでは」「そもそも自社が対象なのか分からない」——そう感じながらこのページを開いた経営者の方に、この記事は書いています。
「うちはまだ事業再構築補助金が使えると思っていた」——そう話す製造業の経営者の方が、2026年に入って急増しています。制度終了を知らないまま準備を進め、申請できないと気づいたときには次の公募まで時間を失う——私たちが相談現場で繰り返し目にしてきた現実です。
事業再構築補助金への新規申請は現在受け付けていません。2026年以降は後継制度「中小企業新事業進出補助金」が窓口になります。 両制度は名称こそ似ていますが、補助率・上限額・対象要件・申請手続きに大きな違いがあります。
この記事では、両制度の違いを徹底比較したうえで、「自社はいくらもらえるのか」「明日から何をすればいいのか」という経営判断レベルの問いに答えます。
📌 忙しい方はここだけ読む|最重要5セクション
この記事の内容
- 中小企業新事業進出補助金とは?
- ケーススタディ:金属加工メーカーA社の計画設計例
- 3つの質問で「自社が対象かどうか」を判定する
- 事業再構築補助金と新事業進出補助金の違いとは?
- 補助率・上限額・対象要件の詳細比較
- 製造業が申請できるのか?対象要件を確認する
- 採択率の実態と2026年の傾向は?
- 採択率を高めるための事業計画書の作り方とは?
- 投資額別・自己負担シミュレーションとは?
- 製造業の経営者が取るべき行動ステップとは?
- 複数の補助金を同時に申請できますか?
- 申請から補助金入金まで何ヶ月かかりますか?
- 今週やるべきチェックリスト
- よくある質問(FAQ)
- まとめ

- 中小企業新事業進出補助金とは? {#definition}
- ケーススタディ:金属加工メーカーA社の計画設計例 {#casestudy}
- 3つの質問で「自社が対象かどうか」を判定する {#selfcheck}
- 事業再構築補助金と新事業進出補助金の違いとは? {#comparison}
- 新事業進出補助金 vs 事業再構築補助金|補助率・上限額・対象要件はどう違うのか? {#detail}
- 新事業進出補助金の対象要件|製造業が申請できるのか? {#manufacturing}
- 採択率の実態と2026年の傾向は? {#adoption}
- 採択率を高めるための事業計画書の作り方とは? {#howto}
- 投資額別・自己負担シミュレーションとは? {#simulation}
- 製造業の経営者が取るべき行動ステップとは? {#steps}
- 複数の補助金を同時に申請できますか? {#multiple}
- 申請から補助金入金まで何ヶ月かかりますか? {#schedule}
- 【今週やるべきチェックリスト】 {#checklist}
- よくある質問(FAQ) {#faq}
- まとめ|2026年の製造業経営者が知っておくべきこと {#summary}
- よくある質問
中小企業新事業進出補助金とは? {#definition}
中小企業新事業進出補助金は、既存事業を維持しながら新分野へ進出する中小企業・小規模事業者を支援するために2026年に新設された補助金制度です。設立年:2026年、所管:中小企業庁。補助率は中小企業で1/2(小規模事業者は2/3)、補助上限額は類型により最大3,000万円です。
事業再構築補助金の後継制度として位置づけられており、コロナ禍を前提としない「成長志向の新事業展開」を恒常的に支援します。製造業を含む全業種が対象で、認定支援機関(国が認定した中小企業の経営支援機関。商工会・税理士・中小企業診断士等が該当)の確認書は不要です。
公募状況・最新の公募要領は中小企業庁の公式サイトで必ずご確認ください。
申請類型の概要
新事業進出補助金には複数の申請類型があり、類型によって補助率・上限額が異なります。「類型による」という留保が随所に出てくるのは、この仕組みによるものです。
| 類型の区分(目安) | 補助率(中小企業) | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 通常類型 | 1/2 | 最大3,000万円 |
| 小規模事業者 | 2/3 | 最大3,000万円 |
| 再生事業者等(要件による) | 2/3 | 最大3,000万円 |
※上記は2026年6月時点の目安です。正確な類型区分・要件は必ず公式公募要領でご確認ください。
ケーススタディ:金属加工メーカーA社の計画設計例 {#casestudy}
以下はリアルな相談をもとにした計画設計の参考事例(仮名)です。採択実績ではなく、制度の使い方を理解するための構成例としてご参照ください。
愛知県の金属加工メーカーA社(仮名・従業員45名、年商8億円)は2025年末、主力の自動車部品が電動化(EV化)の影響で2027年以降に需要減が見込まれると判断し、医療機器部品の精密加工への新規参入を検討しました。
当初は事業再構築補助金を想定して動いていましたが、制度終了を知り、中小企業新事業進出補助金へ切り替えることになりました。投資計画は精密加工ライン新設に約3,000万円。補助率1/2が適用されれば補助額は最大1,500万円、自己負担は約1,500万円になる見込みです。「補助上限3,000万円を念頭に投資計画を組み直した」というのがA社の判断でした。
このように、制度の違いを正確に把握することが、投資計画そのものの設計に直結します。自社の投資規模と補助額がどう対応するか、次のセクションで具体的に確認してください。
3つの質問で「自社が対象かどうか」を判定する {#selfcheck}
制度の詳細に入る前に、まず自社が新事業進出補助金の対象になり得るかを確認します。以下の3つの質問に答えてください。
質問1:投資の目的は「新しい事業・市場への進出」ですか?
○ 新製品カテゴリーの開発・量産ライン構築(例:自動車部品 → 医療機器部品) ○ 新たな顧客産業・販路への進出 ○ DXを活用した新サービスの立ち上げ × 既存製品の増産・設備の単純更新・老朽設備のリプレース
→ 「×」のみに該当する場合、新事業進出補助金の対象要件を満たしにくい状態です。ものづくり補助金や省力化投資補助金の検討をお勧めします。
質問2:中小企業または小規模事業者の規模要件を満たしていますか?
製造業の場合、資本金3億円以下または従業員300名以下が中小企業の目安です。詳細は公募要領でご確認ください。
質問3:GビズIDを取得済み、または取得できる状況ですか?
GビズID(政府が提供する法人共通認証ID。多くの補助金電子申請に必須で、取得に2〜3週間かかります)は電子申請の前提条件です。未取得の場合は公募開始前に取得を済ませておくことで、申請時のタイムロスを防ぐことができます。
3つすべてに「○」がつけば、申請に向けた具体的な準備に進めます。1つでも「×」がある場合は、対策を先に講じる必要があります。
事業再構築補助金と新事業進出補助金の違いとは? {#comparison}
事業再構築補助金は「業態・業種の転換」を支援する制度であり、新事業進出補助金は「既存事業を維持しながら新分野に進出する」ことを支援する制度です。 支援の対象となる行動が根本的に異なります。
事業再構築補助金は2021年に新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業の抜本的な事業転換を支援するために創設され、第13回公募を経て役割を終えています。
中小企業新事業進出補助金(2026年新設)は、コロナ禍という特殊事情に依存しない「成長志向の新事業展開」を恒常的に支援する制度として設計されています。
2026年以降に「新たな事業への投資」を検討する経営者の方は、後継制度「中小企業新事業進出補助金」を検討対象にしてください。事業再構築補助金への新規申請は受け付けていません。
制度移行の詳しい背景については、2021年の創設から終了までの経緯をまとめた記事(事業再構築補助金の歴史と制度移行の全経緯)をあわせてご参照ください。本記事では、2026年以降の実務判断に必要な「違い」と「行動」に絞って解説します。
新事業進出補助金 vs 事業再構築補助金|補助率・上限額・対象要件はどう違うのか? {#detail}
付加価値額とは何か(比較表を読む前に)
比較表に登場する「付加価値額」について、先に説明します。
付加価値額とは、企業が生み出す価値の指標で、「営業利益+人件費+減価償却費」で計算します。補助金では「事業実施後に付加価値額が年率◯%以上増加すること」という要件が設定されることがあります。単純な売上増加ではなく、実質的な企業価値の向上が問われる指標です。自社の付加価値額を事前に計算しておくことが、申請計画の精度を高めます。
制度比較表
| 比較項目 | 事業再構築補助金 | 中小企業新事業進出補助金 | 補助金HACK 製造業適用難易度 |
|---|---|---|---|
| ステータス | 終了(第13回公募で終了) | 2026年新設・公募中(※公式サイトで要確認) | ー |
| 目的 | コロナ禍を契機とした業態・業種転換 | 成長志向の新分野進出 | ー |
| 補助率(中小企業) | 1/2 | 1/2 | ★★★(適用しやすい) |
| 補助率(小規模・再生事業者) | 2/3〜3/4 | 2/3 | ★★★(適用しやすい) |
| 補助上限額 | 最大1.5億円(通常枠) | 最大3,000万円(類型による) | ★★(大規模投資には不足感あり) |
| 認定支援機関 | 必須(確認書が申請要件) | 不要(ただし計画書品質は依然重要) | ★★★(ハードル低下) |
| 付加価値額の増加要件 | 年率+3〜5%(類型による) | 類型により設定 | ★★(製造業は達成しやすいが要確認) |
| コロナ要件 | 売上高減少等の要件あり(後期公募では緩和) | なし | ★★★(製造業に有利) |
| 申請システム | jGrants(電子申請) | jGrants(電子申請) | ★★★(前回申請者はスムーズ) |
| 標準的な審査期間 | 申請締切から2〜3ヶ月 | 申請締切から2〜3ヶ月(目安) | ー |
※「補助金HACK 製造業適用難易度」は補助金HACKの相談実績をもとにした独自評価です(★★★=適用しやすい、★★=条件次第、★=注意が必要)。
事業再構築補助金は最大1.5億円の補助が受けられる大型制度でしたが、新事業進出補助金は現時点で最大3,000万円と上限額が大きく変わっています。大規模な設備投資を検討している製造業の経営者の方は、他の補助金との組み合わせも視野に入れてください(詳細は後述)。
実務レベルの申請手続きの違い
制度設計の違いに加えて、実際の申請作業における違いも把握しておく必要があります。
認定支援機関について: 事業再構築補助金では認定支援機関の確認書が申請の必須要件でした。新事業進出補助金では不要になりましたが、「不要=自社だけで十分」ではありません。認定支援機関の確認書がない分、計画書そのものの品質がより厳しく問われる傾向があります。中小企業診断士等の専門家を活用することで採択確度が上がるケースは引き続き多く、私たちの相談現場でもその効果を実感しています。
申請システムについて: 両制度ともjGrants(デジタル庁が運営する補助金電子申請システム)を使用します。GビズIDが必須であり、未取得の場合は取得に2〜3週間かかるため早めの準備が必要です。GビズIDの取得手順はGビズID取得ガイドをご参照ください。
詳細は中小企業庁の最新公募要領を必ずご確認ください。

新事業進出補助金の対象要件|製造業が申請できるのか? {#manufacturing}
製造業の経営者の方が最も気になるのは「自社が対象になるか」という点です。
中小企業新事業進出補助金は業種を限定しておらず、製造業も対象に含まれます。 ただし、単なる設備更新や既存製品の増産ラインへの投資は対象外です。「新たな事業への進出」という要件を満たす計画設計が必要です。
対象になりやすい投資パターン(製造業の例)
- 新製品カテゴリーの開発・量産ライン構築(例:金属加工部品メーカーが医療機器部品の製造に新規参入)
- 新たな販路・市場への進出(例:国内BtoB向け製品を海外向けに展開する新規ラインの設備投資)
- 製造工程のDX化による新サービス展開(例:受託加工に加えてデータ分析サービスを新事業として立ち上げる)
- 異業種との連携による新製品開発
対象になりにくいケース(注意が必要)
- 既存製品の増産・品質向上のみを目的とした設備投資
- 老朽設備の単純な更新・リプレース
- 現在提供しているサービスの範囲内での改善投資
⚠️ 「新事業への進出」の定義は厳密に確認を
公募要領(補助金の申請条件・申請方法・採択基準を記した公式文書)には「新たな事業への進出」の具体的な定義が記載されています。自社の計画が対象に該当するかどうかは、申請前に必ず公募要領を精読してください。
| 投資内容 | 対象の可能性 | ポイント |
|---|---|---|
| 新製品の量産ライン構築 | ○ 高い | 新製品であることの具体性が重要 |
| 異業種向け新製品開発 | ○ 高い | 参入市場の新規性を明確に |
| 既存製品の設備更新 | △ 低い | 「新事業」への進出要件を満たしにくい |
| 老朽設備のリプレース | × ほぼ対象外 | 新規性がないと判断されやすい |
| DXを活用した新サービス | ○ 中〜高い | IT投資の位置付けを明確に |

採択率の実態と2026年の傾向は? {#adoption}
中小企業新事業進出補助金自体の採択率
初回公募採択率:公表待ち(確認日:2026年6月)。採択結果が公表され次第、本記事を更新します。
2026年6月時点で、中小企業新事業進出補助金の採択率・採択件数は未公表です(初回公募のため、公式データが存在しません)。
参考値として、後継元となった事業再構築補助金の後半公募(第10〜13回)では採択率が30〜40%台で推移していました(出典:中小企業庁 事業再構築補助金 採択結果、参照日:2026年6月)。新事業進出補助金も同水準の競争率を想定しておくことが現実的です。
採択率30〜40%台というのは、「3〜4割は採択される」とも読めますが、逆に「6〜7割は通らない」とも読めます。だからこそ、計画書の質と事前準備が採択結果を大きく左右します。
2026年・製造業における補助金活用の傾向
2026年の補助金環境では、製造業・加工業の経営者が新事業進出補助金に注目するケースが増えています。EV化・脱炭素・人手不足という構造的な変化が「新事業への進出」という投資動機と合致しやすく、計画書に説得力が出やすい状況です。
製造業からの相談は補助金HACKでも増加しています。採択率の公式データが出た段階で、業種別の傾向分析を追記します。
採択率を高めるための事業計画書の作り方とは? {#howto}
採択されやすい事業計画書の共通点は「なぜ今、この投資が必要か」を数字で語っていることです。
事業計画書(補助金申請の中核となる書類)の質が採択の大部分を左右します。新事業進出補助金でも、この原則は変わりません。
採択されやすい計画書の5つの特徴
| ステップ | ポイント | 具体例 |
|---|---|---|
| ①市場の変化を数値で説明 | 外部環境の変化を客観データで示す | 「EV化により自動車部品市場は2030年までに◯%縮小する見通し」 |
| ②新事業への参入根拠を具体化 | 引き合い実績・技術転用の根拠を示す | 「既存の精密加工技術を応用。すでに◯社との引き合いがある」 |
| ③収支計画・目標数値を現実的に設定 | 過大な売上予測を避け、保守的かつ根拠ある数値を示す | 初年度赤字・2年目から黒字転換の計画 |
| ④自社の強みと新事業の親和性を明確に | なぜ自社がこの新事業に取り組む適性があるかを論理的に説明 | 既存設備・技術・人材との接点を明示 |
| ⑤実施スケジュールを具体的に示す | いつ設備を導入し、いつ試作・量産を開始するかを明記 | マイルストーンを月単位で記載 |
不採択になりやすい計画書の特徴
私たちが相談現場で繰り返し目にしてきた不採択パターンを整理します。
- 「売上を上げたい」など抽象的な目標(数値目標がなく、実現性が疑われる)
- 既存事業との差別化が不明確(新事業への「進出」という要件を満たしていない)
- 財務的な裏付けが弱い(借入過多・債務超過など財務体制の問題がある場合)
- 補助金の趣旨と計画がズレている(補助金の目的に沿っていない投資内容)
📌 認定支援機関なしで申請できるが「計画書の品質」はより問われる
新事業進出補助金では認定支援機関の確認書が不要になりましたが、これは「申請のハードルが下がった」だけで「採択のハードルが下がった」わけではありません。確認書がない分、計画書の論理性・具体性への審査が厳しくなる傾向があります。計画書の品質を高める努力は引き続き必要です。
不採択事例(仮名)から学ぶポイント
以下はいずれも実際の相談をもとにした仮名事例です。
設備メーカーB社(仮名・従業員20名)の不採択事例: 問題点:新製品の市場ニーズの根拠が「自社アンケート1件のみ」で客観性に欠け、事業の実現可能性が低いと判断された。 対策:業界レポート・展示会での引き合い実績など、客観的な市場データを複数追加することで採択確度が高まる。
樹脂加工メーカーC社(仮名・従業員35名)の不採択→次回採択事例: 問題点:投資内容は適切だったが、3年間の収支計画で初年度から黒字を見込む非現実的な数値を提示した。 対策:初年度は赤字・2年目から黒字転換という保守的かつ根拠のある計画に修正したことで次回採択となった。
補助金HACKの現場から
補助金HACKでは、事業再構築補助金の採択事例・不採択事例を業種別に分析してきました。製造業に限っても、採択された計画書には「市場の縮小→新市場への参入→自社技術との接点」という3点セットが揃っていることが共通しています。「どこが弱いか」の診断から入りたい方は、まずLINEでご相談ください。
投資額別・自己負担シミュレーションとは? {#simulation}
「自社の場合、実際いくらもらえて、いくら自己負担になるのか」——最も実務的な問いに答えます。
新事業進出補助金の補助率1/2(中小企業の一般的なケース)・補助上限額3,000万円を前提に、投資額別の補助額・自己負担額を示します。数値は公募要領で必ず最終確認をしてください。
中小企業(補助率1/2・補助上限3,000万円)の場合:
| 投資総額 | 補助率 | 補助額(上限内) | 自己負担額 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 1/2 | 500万円 | 500万円 |
| 2,000万円 | 1/2 | 1,000万円 | 1,000万円 |
| 4,000万円 | 1/2 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 6,000万円 | 1/2 | 3,000万円(上限) | 3,000万円 |
| 1億円 | 1/2 | 3,000万円(上限) | 7,000万円 |
ポイント: 補助上限額は3,000万円(類型による)のため、補助率1/2の場合は投資額6,000万円を超えると「上限3,000万円」が先に効いてきます。投資額が大きくなるほど補助金の相対的な効果は薄まります。
小規模事業者・再生事業者(補助率2/3)の場合:
| 投資総額 | 補助率 | 補助額(上限内) | 自己負担額 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 2/3 | 約667万円 | 約333万円 |
| 3,000万円 | 2/3 | 2,000万円 | 約1,000万円 |
| 4,500万円 | 2/3 | 3,000万円(上限) | 約1,500万円 |
※補助率2/3の場合、投資額約4,500万円で上限3,000万円に達します。投資額がこれを超える場合、超過分は全額自己負担となります。実際の補助上限額は申請類型により異なるため、公募要領で必ずご確認ください。
📌 自社の補助率・上限額は類型により異なります
上記は一般的な試算です。実際の補助率・上限額は申請する類型によって異なります。自社のケースに合わせた正確なシミュレーションは、公募要領の確認または専門家への相談を通じて行ってください。
製造業の経営者が取るべき行動ステップとは? {#steps}
「理解はできた。では、実際に何をすればいいか」という問いに答えます。
- 現状把握 →
- 対象確認 →
- 計画立案 →
- 申請準備の4ステップです。
ステップ1:現状把握(自社の財務・事業状況を整理する)
補助金申請の前提として、決算書(直近2〜3期)・納税証明書・履歴事項全部証明書(登記簿)が必要です。財務体制に問題があると採択が難しくなるため、まず自社の財務状況を正確に把握してください。
GビズIDの取得は必須です。 取得に2〜3週間かかるため、申請を思い立ってから動くと間に合わないことがあります。公募開始前に取得を済ませておくことで、申請時のタイムロスを防ぐことができます。取得手順はGビズID取得ガイドをご参照ください。
ステップ2:対象確認(公募要領を精読し、ざっくり診断を行う)
最新の公募要領を中小企業庁の公式サイトからダウンロードし、自社の計画が対象要件に合致するかを確認します。「新たな事業への進出」の定義・補助対象経費・除外事項を必ず読み込んでください。
この段階で「自社が対象かどうか迷う」場合は、ざっくり診断としてLINEでご相談ください。 業種・投資内容・企業規模を共有いただければ、対象かどうかの見立てをお伝えします。詳細な計画策定が必要な段階になったら、専門家(中小企業診断士等)への相談に進むという2段階の活用が現実的です。
ステップ3:計画立案(事業計画書の骨子を作る)
申請書類のなかで最も重要な事業計画書の骨子を作ります。「市場の変化」「自社の強み」「新事業の具体的な内容」「3〜5年の収支計画」を整理しておくと、書類作成がスムーズになります。
ステップ4:申請準備(必要書類を揃え、専門家活用も検討)
| 準備物 | 備考 |
|---|---|
| 事業計画書 | 申請の中核・採択を左右する |
| 決算書(直近2〜3期) | 財務状況の証明 |
| 履歴事項全部証明書 | 法人格の証明 |
| 納税証明書 | 未納がないことの証明 |
| 見積書 | 設備・システム等の投資額根拠 |
| GビズID | 電子申請に必須 |
補助額が大きい場合(数百万円以上)は、中小企業診断士・行政書士等の専門家の活用も選択肢に入ります。計画書作成の時間を節約しながら、採択確度を上げる現実的な方法です。申請書類の作成については補助金申請書類作成ガイドもご参照ください。
複数の補助金を同時に申請できますか? {#multiple}
結論からいうと、複数の補助金を並行活用する場合には重要な注意点があります。同一の設備・経費を複数の補助金で申請することは原則できません。また、各補助金の対象要件・補助対象経費の範囲が異なるため、計画の組み立てには専門的な判断が必要です。
新事業進出補助金の補助上限額が最大3,000万円であるため、大規模な設備投資では「他の補助金との組み合わせ」を検討したい場面があります。ものづくり補助金(ものづくり補助金の詳細はこちら)や中小企業省力化投資補助金(省力化投資補助金の詳細はこちら)との組み合わせ戦略の詳細は、別記事で解説しています。
⚠️ 発注タイミングの誤りは補助金対象外になる最大リスク
補助事業開始(商品やサービスの購入契約を結ぶこと)は、交付決定(採択後に交付申請を提出し、事務局が正式に交付を決める手続き)日以降でなければなりません。私たちが現場で頻繁に目にしてきた事例として、採択通知が届いた段階で発注してしまうケースがあります。この順番を誤ると、投資全額が補助対象外になる場合があります。「採択されたから発注しよう」ではなく、「交付決定が出てから発注する」が正しい順序です。
申請から補助金入金まで何ヶ月かかりますか? {#schedule}
「補助金はいつ入金されるのか」は資金繰りに直結する重要な問いです。
申請から入金まで、早くても8ヶ月〜1年以上かかるのが現実です。 「補助金があるから先に動けばいい」ではなく、「先に自己資金・融資で動き、後から補助金が入ってくる」という資金計画を立てておく必要があります。
新事業進出補助金は原則として後払い(事業完了後の精算払い)です。 申請から入金まで、一般的には以下のスケジュール感になります。
- 公募期間中に申請書類を提出(〜申請締切)
- 採択発表(申請締切から2〜3ヶ月程度)
- 交付申請・交付決定(採択後1〜2ヶ月程度)
- 事業実施(交付決定後〜補助事業期間中)
- 実績報告(事業完了後に経費内訳・成果・写真等を提出)
- 補助金入金(実績報告承認後、1〜2ヶ月程度)
融資(日本政策金融公庫等)との組み合わせを検討する経営者の方も多くいます。資金繰り計画は早い段階で金融機関と相談しておくことをお勧めします。
【今週やるべきチェックリスト】 {#checklist}
記事を読んだだけで終わらせないために、今週中に完了すべき行動を整理します。
- □ GビズIDの取得状況を確認する(未取得の場合は今日中に申請開始)
- □ 直近2〜3期の決算書を手元に揃える(財務状況の事前確認)
- □ 「3つの質問」(本記事の判定ツール)で自社が対象かどうかを確認する
- □ 公式サイトから最新の公募要領をダウンロードし、対象要件のページを読む
- □ 投資計画の概算額を算出し、補助額・自己負担額を試算する(本記事のシミュレーション表を活用)
- □ 事業計画書の骨子(市場の変化・自社の強み・新事業の概要)を箇条書きで書き出す
ここまで終わったら、次のステップはLINEでご相談ください。「自社が対象かどうか確信が持てない」「いくらもらえるか試算したい」という段階からでも大丈夫です。業種・投資内容・現在の準備状況をお伝えいただければ、受給見込み額の診断と今後の具体的なアクションをご案内します。
よくある質問(FAQ) {#faq}
Q1. 認定支援機関なしで採択されることはありますか?
はい、可能です。新事業進出補助金では認定支援機関の確認書は申請要件ではありません。ただし、確認書がない分、事業計画書の論理性・具体性・数値の根拠が厳しく審査される傾向があります。中小企業診断士等の専門家に計画書レビューを依頼することで、採択確度が上がるケースは多くあります。
Q2. 補助対象経費にはどのような費用が含まれますか?
補助対象経費(補助金で経費として認められる範囲)は公募要領に明記されています。一般的には機械装置費・建物費・システム構築費・広告宣伝費・専門家経費などが含まれますが、制度ごとに異なります。土地取得費・汎用性の高い車両・消耗品等は対象外になることが多いため、必ず最新の公募要領でご確認ください。
Q3. 事業再構築補助金で採択された企業も申請できますか?
事業再構築補助金での採択実績があること自体は、新事業進出補助金の申請を妨げるものではありません。ただし、同一の設備・経費を重複して補助対象にすることはできません。また、事業再構築補助金の補助事業期間中の場合は制限がある場合があるため、詳細は公募要領または専門家にご確認ください。
Q4. 採択率の目安はどれくらいですか?
2026年6月時点で新事業進出補助金の採択率は未公表です(初回公募のため公式データなし)。参考値として、前身の事業再構築補助金後半公募(第10〜13回)では採択率が30〜40%台で推移していました(出典:中小企業庁公式サイト、参照日:2026年6月)。同程度の競争率を想定しておくことが現実的です。
Q5. 補助対象外になる典型的なミスはどんなものですか?
- 交付決定前に発注・契約してしまう(投資全額が対象外になる最大リスク)、
- 既存事業の設備更新を「新事業への進出」として申請する(要件不合致で不採択)、
- 収支計画の数値が非現実的(初年度から過大な黒字を計上するなど、実現可能性が低いと判断される)。申請前に公募要領を精読し、不明点は専門家に確認することが最善の対策です。
まとめ|2026年の製造業経営者が知っておくべきこと {#summary}
事業再構築補助金と中小企業新事業進出補助金の違いを整理すると、以下の3点が核心です。
① 事業再構築補助金への新規申請は終了している
2026年以降の新たな事業への投資支援は、後継制度「中小企業新事業進出補助金」が窓口になります。制度終了を知らずに準備を進めると、時間と労力を無駄にするリスクがあります。まず制度移行の事実を確認し、最新の公募要領を入手してください。
② 補助上限額が最大3,000万円(類型による)に変わった
補助率1/2の場合、投資額6,000万円を超えると上限に達します。大規模投資を計画している場合はものづくり補助金や省力化投資補助金との組み合わせを検討する必要があります。ただし並行活用には専門的な判断が必要です。自社の投資規模と補助額の対応をシミュレーションしたうえで、投資計画を設計してください。
③ 認定支援機関の確認書は不要になったが、事業計画書の質が採択の鍵であることは変わらない
「新たな事業への進出」という要件を満たす計画を、市場データと自社の強みを絡めて論理的に書けるかが採択の分かれ目です。確認書が不要になった分、計画書品質への審査は厳しくなる傾向があります。早い段階から計画書の骨子を作り始めることが、採択確度を高める最も確実な方法です。
製造業の経営者の方にとって、補助金は設備投資コストを大幅に圧縮できる重要なツールです。制度の移行期である今こそ、最新情報を正確に把握したうえで動くことが重要です。公募開始後すぐに動ける状態を整えておくことが現実的です。
次の公募の申請期限は公式サイトで随時更新されています。「次回公募が始まってから動く」では、GビズIDの取得・決算書の整理・計画書の骨子作成に間に合わないケースがあります。今から準備を進めることをお勧めします。
補助金HACKのLINE公式では、業種・投資規模・事業内容をもとに受給見込み額の無料診断を行っています。登録後は担当スタッフよりご連絡いたします。また、製造業向けの「新事業進出補助金 事業計画書チェックシート」を登録者限定でご提供予定です(準備中)。
事業再構築補助金の概要や新事業進出補助金の詳細については、中小企業新事業進出補助金とは?2026年新設の最新ガイドもあわせてご参照ください。

執筆:補助金HACK編集部 本記事の情報は2026年6月時点のものです。補助金制度は変更される場合があるため、申請前に必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
よくある質問
事業再構築補助金はもう申請できないのですか?
新事業進出補助金に認定支援機関は必要ですか?
事業再構築補助金の既採択者は新事業進出補助金に申請できますか?
新事業進出補助金の補助率・上限額はいくらですか?
製造業は新事業進出補助金の対象になりますか?
:::point[次に読みたい記事] 補助金活用は「申請して終わり」ではありません。次のステップでつまずきやすいポイントを先取りして解説しています。
- 中小企業新事業進出補助金とは?2026年新設の最新ガイド
- 補助金採択のコツ7選|不採択を避けて事業計画書を通す本質
- 補助金の実績報告で差し戻されない7つのポイント|採択後フェーズの完全ガイド
- ものづくり補助金は誰が対象?業種・規模・要件を完全整理
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